著者
林 壮一 川村 康文 村上 聡
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.191-196, 2015

東日本大震災後に高等学校で物理を学習した生徒に対して,高校時代の物理で実施した実験や放射線に関する講義・実験や実習などの調査をアンケートによって行った。その結果,物理実験を行った経験のある生徒の割合は,山崎らが調査した結果に比べて増加していた。しかし,放射線に関する講義や実験,実習の経験のある生徒は全体の10%以下であり,山崎らの調査結果同様にその実施の割合は少ないままだった。このことから,東日本大震災後であっても,放射線に関する学習がほとんど実施されていないことが明らかとなった。
著者
林 壮一
出版者
Japan Oil Chemists' Society
雑誌
油化学 (ISSN:18842003)
巻号頁・発行日
vol.16, no.10, pp.554-559, 1967-10-20 (Released:2009-10-20)
参考文献数
11

On studying phenomena relating to emulsification, it becomes necessary to study on intermolecular forces between emulsifier and oil or water.On this view point, it was found that there exists, at a given oil/water system, required HLB value for interfacial viscosity as well the required HLB value for emulsification, and also there exists linear correlation between required HLB value for interfacial viscosity and solubility parameter of oil.The empirical equations to determine required HLB value for interfacial viscosity at a given oil/water interface were deduced experimentally as follows;Y=6.146δ0-46.0or Y=127.3logδ0-112.2where Y=required HLB value for interfacial viscosity, and δ0=solubility parameter of oil.Above empirical equations are both applicable in the range of Y=515 (corresponding to δ0=8.310.0) independent of the kind of emulsifiers (at least, in the case of nonionic emulsifiers).Required HLB value for interfacial viscosity (now this value may be calculated only from δ0 value for a given oil), as well required HLB value for emulsification, may be useful for determination of HLB value of a given surfactant experimentally.In the course of this study, the author found that heat of vaporization (accordingly δ0 value) may be calculated by the following empirical relation;ΔHv (T') =ΔHv (T0) √T0/T'where T', T0 are absolute temperature and ΔHv (T') , ΔHv (T0) are heat of vaporization at T' and T0 respectively.
著者
林 壮一
出版者
立教新座中学校・高等学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2009

本研究の目的は次の2点である。(1)安価な可搬型ノートパソコンであるNetBookとサーバー用ノートパソコンを無線LANで接続してネットワーク(モバイルラーニングシステムMobileLearningSystem)を構築し,(2)中学校・高等学校の理科の実験・授業の中でパソコンを活用した授業(実験群)とそうでない場合(統制群)とで学習効果を比較し,デジタル教材の有効性を検証することである。(1)については,サーバーパソコンの設定,アンテナの設定など,ネットワーク構築のために必要とされる基礎知識は少なくなく,サーバーの構築は容易ではなかった。しかし,外部に接続されていないネットワークは,授業管理/教場管理をする上では非常に有効であった。ただし,OSに標準搭載されるゲーム類などの削除も必要であり,その一方でパソコンに詳しい生徒(中学生)の悪戯防止についてはさらに一考が必要であった。今後,更にコンピュータを学校の授業に導入する場合には,OS標準のゲーム,画面の設定など生徒が容易に変更できないシステムが必要であると思われる。(2)については,中学生でも高校生でもデジタル教材を利用することによって,教科書に記述されていないより発展的な内容に気づかせたり,学習の質を向上させたりするのに有効であることが確認できた。しかしその一方で,デジタル教材を導入した授業が普及しにくい理由の一端も垣間見ることができた。特に,通常の教材を用いた授業展開とデジタル教材を用いた授業展開とが異なる場合には,授業で想定している展開の順番とデジタル教材の中での順番とが異なっていると,授業者はデジタル教材を利用することによって生徒が何をどのように理解したかを把握できなくなり,結果的にデジタルコンテンツが授業者の「授業に対する意図」を妨げてしまうからである,と考えられた。実際に行った授業では,統制群で授業の展開に沿って理解が進むのに対し,実験群では授業の展開に沿わない形で理解が進んでいくことが確認された。しかし,知識の定着を両群間で比較(大地のつくり,運動の法則,音の性質,静電気,等の4つの単元)したが,どの単元でも有意な差は見られなかった。以上のことから,教材が比較的小さな単元ごとにまとまっているデジタル教材が使いやすいことや,サーバーやパソコン内にコンテンツがあれば,インターネットとの接続は必須ではないことなどが確認できた。今後は,選択授業や探求学習などの発展的な学習で,どのようにデジタル教材を利活用することが学習者の意欲を高めることになるのか,また,どのようなICT機器を学習のどの場面でどのように活用することが学習者の意欲や知識の定着に有効なのか等,調べていく予定である。