著者
大森 竹仁 林 尚示
出版者
山梨大学
雑誌
教育実践学研究 : 山梨大学教育学部附属教育実践研究指導センター研究紀要 (ISSN:13454161)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.95-104, 2005

本研究は,生徒会活動を通して集団づくりをすることを目指す一連の中で,特にリーダーの資質について検討したものである。具体的には,大学の学生及び中学校の生徒,並びに中学校の生徒会主任教師を対象とした調査を実施し,その結果をもとにリーダーの資質として重視されている内容を明確化した。この作業により,特別活動で望ましい集団活動を通して人間形成をしていくために,特に特別活動の中での生徒会活動の果す役割が明確化してくる。更には,リーダーの資質に焦点化して研究を進めることにより,今後の学校教育の中で,生徒会活動の教育的効果や教育的価値の再確認に繋がる成果が期待できる。
著者
林 尚示
出版者
東京学芸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2004

3年計画で,人間としての在り方生き方への自覚を深める高等学校ホームルーム活動に関する研究を実施してきた。その最終年度である3年目の研究実績は,次の4点である。第1番目に,生徒指導と特別活動の関係について質問紙調査を実施し,共分散構造分析を用いて検討した結果,生徒指導の満足度が特別活動の満足度に影響を及ぼすことが確かめられた。そして,分析の結果,特に,生徒指導の中の「個人的適応指導」と,特別活動の中の「学芸的行事」や「健康安全・体育的行事」に着目して特別活動をさらに充実させていくことが提案できた。第2番目に,ホームルーム活動の指導内容になることの多い「いじめ」の解決のためには,被害の申告先を明示して,助言,仲介,加害者側への注意などの方法を駆使して被害者を救済していくことを提案した。「いじめ」や「校内暴力」へは,学校や教師の毅然とした対応が必要であり,政策的側面についてもその具体的な方向を検討できた。第3番目に,子どもの「社会的自立」の基礎を培うためには,ホームルーム活動等での生徒指導の役割が大きいことを言及できた。第4番目に,学習指導要領の内容を吟味しつつ,その中でホームルーム活動を含む特別活動の位置付けを調べ,教育課程上の重要性を再確認できた。これらを総合すると,学習指導要領上でのホームルーム活動を含む特別活動を重視し,その中で子どもの「社会的自立」の基礎を培うために,生徒指導の具体的方策をさらに検討することが課題提起できる。
著者
加藤 一 林 尚示 成田 雅博
出版者
山梨大学
雑誌
教育実践学研究 : 山梨大学教育学部附属教育実践研究指導センター研究紀要 (ISSN:13454161)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.47-56, 2003

本稿では,文部科学省における生涯学習への通信衛星を利用した研究の取り組みである「教育情報衛星通信ネットワーク高度化推進事業」,エル・ネット「オープンカレッジ」講座の本学における大学独自収録・編集作業の準備及び実施の概要について述べている。この収録のために発足させた「山梨大学独自収録事業協議会」が,番組収録,番組編集,テキスト原稿作成を実施した。制作した番組は日本全国のエル・ネット受信施設に滞りなく放送され,生涯学習の推進に寄与することができた。