著者
松山 惇 平田 秀樹 山岸 努 林 恵一 平野 優子 桑田 紀代美 清澤 功 長澤 太郎
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.887-893, 1992-10-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
12
被引用文献数
7 17

ビフィズス菌の単独培養,または乳酸菌との混合培養による発育性ならびに大豆オリゴ糖の資化性について観察した.(1) 豆乳中におけるビフィズス菌の発育性について,24時間培養後のpHは,いずれの菌も4.53~4.76まで低下し,酸度は, 0.67~0.90%まで上昇した.また,培養20時間後の菌数は,いずれの菌種も10 3個のオーダーで増加し,豆乳中におけるビフィズス菌の増殖性はきわめて良好であった.(2) B. breveおよびB. longum とL. acidophilusとの混合培養では,ビフィズス菌数,生酸性は単独培養時のそれらを上回ったが,L. acidophilusの菌数は単独培養時のそれよりも低い傾向を示した.(3) ビフィズス菌による豆乳中のガラクトオリゴ糖の資化性は,特にスタキオースに対して優れていた.また,生成したグルコースは発酵に利用されたが,フルクトースおよびガラクトースは蓄積される傾向がみられた.(4) スクロース,ラフィノースまたはスタキオースを添加したMGLP培地において, B. breveの発育性は,スタキオース添加培地で優れていた.さらに,これらの糖を2種類または3種類含有する培地では,後者の方が良好な発育性を示した.