著者
松山 惇 渡辺 学 林 憲一朗 江澤 真 清澤 功 長澤 太郎
出版者
japan association of food preservation scientists
雑誌
日本食品低温保蔵学会誌 (ISSN:09147675)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.24-29, 1993-03-30 (Released:2011-05-20)
参考文献数
20

80℃, 30分間殺菌した豆乳にLactobacillus bulgaricus, Streptococcus thermophilusおよびBifidobacterium longumを混合接種して調製した発酵豆乳および発酵植物油添加豆乳ならびに市販プレーンヨーグルトを10日間冷温保蔵 (5℃) し, 48時間ごとにpH, 酸度, 乳酸菌およびビフィズス菌の生菌数およびホエー量を測定した。発酵豆乳および発酵植物油添加豆乳では, 日数の経過とともにpHは低下し, 酸度が上昇した。乳酸菌数は, いずれも減少傾向を示したが, 10日間保蔵で生菌数107以上を確保することができた。また, B.longumは, 10日間保蔵で108の菌数を保持した。ホエー量は, 保蔵日数の経過とともに, いずれもわずかに増加したが, ヨーグルトより少なかった。次に, 殺菌温度 (80℃, 90℃, 100℃, 30分間および121℃, 15分間) の異なる豆乳を用いて, 発酵豆乳および発酵植物油添加豆乳を調製して冷温保蔵した。その結果, 90℃, 30分間加熱の発酵豆乳は, 0日目のpHが最も高く, 酸度が最も低かったが, 冷温保蔵時にはその変化が, 最も大きかった。生菌数は, いずれの殺菌温度で冷温保蔵によって減少傾向を示したが, 10日間冷温保蔵で107以上を保持した。ホエー量は, いずれの発酵豆乳も殺菌温度が低いほど多かったが, ヨーグルトより低値であった。なお, 植物油添加の有無による差異はとくに認められなかった。
著者
清澤 功
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.94, no.8, pp.620-627, 1999-08-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
40

大豆種子とくに胚軸に含まれるイソフラボンは, 最近, 世界的に最も注目されている食品の成分の一つである。特に, がん, 骨粗霧症, 心臓疾患などの予防, 更年期障害の軽減に有効であることが明らかになってきた。長年, 味噌のイソフラボンの研究に携わって来られた著者に, 原料大豆から, 味噌醸造中の同成分の消長, 体内での作用機講等について, 詳細に解説していただいた。
著者
松山 惇 平田 秀樹 山岸 努 林 恵一 平野 優子 桑田 紀代美 清澤 功 長澤 太郎
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.39, no.10, pp.887-893, 1992-10-15 (Released:2009-04-21)
参考文献数
12
被引用文献数
7 17

ビフィズス菌の単独培養,または乳酸菌との混合培養による発育性ならびに大豆オリゴ糖の資化性について観察した.(1) 豆乳中におけるビフィズス菌の発育性について,24時間培養後のpHは,いずれの菌も4.53~4.76まで低下し,酸度は, 0.67~0.90%まで上昇した.また,培養20時間後の菌数は,いずれの菌種も10 3個のオーダーで増加し,豆乳中におけるビフィズス菌の増殖性はきわめて良好であった.(2) B. breveおよびB. longum とL. acidophilusとの混合培養では,ビフィズス菌数,生酸性は単独培養時のそれらを上回ったが,L. acidophilusの菌数は単独培養時のそれよりも低い傾向を示した.(3) ビフィズス菌による豆乳中のガラクトオリゴ糖の資化性は,特にスタキオースに対して優れていた.また,生成したグルコースは発酵に利用されたが,フルクトースおよびガラクトースは蓄積される傾向がみられた.(4) スクロース,ラフィノースまたはスタキオースを添加したMGLP培地において, B. breveの発育性は,スタキオース添加培地で優れていた.さらに,これらの糖を2種類または3種類含有する培地では,後者の方が良好な発育性を示した.