- 著者
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林 拓人
前田 敦司
- 雑誌
- 第56回プログラミング・シンポジウム予稿集
- 巻号頁・発行日
- vol.2015, pp.121-130, 2015-01-09
従来のクラスベース・オブジェクトシステムは,メソッドをクラスに格納するものと総称関数に格納するもの(メソッドがクラスに属すものと総称関数に属すもの)とに分けられる.本論文はこれらのいずれとも異なり,環境にメソッドを直接格納する新しいオブジェクトシステムを提案する.クラスや総称関数といった枠を廃し,クラス名とメソッド名の組をキーとして環境にメソッドを直接格納する.これにより変数に対して行えるあらゆる操作がメソッドに対しても自然に行えるようになり,従来の方式に比べシンプルな仕組みで柔軟なオブジェクト指向プログラミングが可能となる.提案する手法の有用性を実証するため,このオブジェクトシステムを搭載する独自言語Suzuの処理系を実装した.Suzuの特徴を生かすプログラム例として言語内DSL(Domain Specific Language)の構築例を挙げる.従来のオブジェクトシステムにおける類似した概念等との関連についても議論する.