- 著者
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林 朋恵
森下 英理子
- 出版者
- 一般社団法人 日本血栓止血学会
- 雑誌
- 日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
- 巻号頁・発行日
- vol.25, no.1, pp.48-54, 2014 (Released:2014-03-03)
- 参考文献数
- 41
要約:プロテインC(PC)凝固制御系は,血中に産生されたトロンビンが血管内皮細胞上のトロンボモジュリンと結合してはじめて発動される,いわばネガティブフィードバックの系であり,生体内における微妙な凝固反応に対応し得る非常に柔軟なしくみといえる.PC 凝固制御系因子の欠損あるいは異常は,生体内における向血栓性を高め,時に致死的な血栓症をもたらす.本稿では代表的なPC 凝固制御系因子であるPC, プロテインS(PS)両者の欠損症および活性化プロテインC(APC)レジスタンスの診断およびその臨床像について概説するとともに,APC の多面的な機能に注目した臨床試験の歴史についてもふれてみたい.