著者
後藤 祐児 萩原 義久
出版者
日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.10, no.6, pp.457-462, 1999-12-01 (Released:2010-08-05)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1 1
著者
内藤 篤彦
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.297-301, 2015 (Released:2015-06-18)
参考文献数
22

要約:個体老化とは「加齢に伴い死亡率が増加する原因となる様々な臓器の機能低下」と定義される生命現象である.加齢に伴って免疫系が老化する結果,免疫系本来の非自己を排除する機構と炎症反応を制御する機構が低下し,高齢者で認められる易感染性や慢性炎症が引き起こされる.補体分子C1q は自然免疫系において重要な役割を果たす因子であり,免疫系の老化が引き起こす慢性炎症に伴って血中濃度が増加することが知られているが,われわれはC1q が補体経路非依存性に加齢に伴う骨格筋の再生能低下という老化現象の原因になっていることを報告している.本稿では前半に加齢に伴う免疫系の老化現象について概説し,後半では補体分子C1q による老化誘導のメカニズムについて述べる.
著者
宮川 義隆
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.28-36, 2020 (Released:2020-02-22)
参考文献数
25

血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura: TTP)の標準的治療は,永らく血漿療法であった.後天性TTPに対する抗体医薬リツキシマブが,Phase 2医師主導治験の成績をもとに,2018年8月に保険収載された.海外のシステマティック・レビューによれば,リツキシマブは再発・難治例の9割に有効性を示す.欧米では,後天性TTPにカプラシズマブが承認された.カプラシズマブは,フォンビルブランド因子に対する低分子抗体である.カプラシズマブは,重篤な血栓症,死亡リスク,血漿交換の回数を減らす効果がある.先天性TTPを対象に,遺伝子組換えADAMTS13製剤の臨床試験が進められている.本稿では,TTPに対する分子標的治療の幕開けを中心に紹介する.
著者
宮本 真吾 石川 秀樹 若林 敬二 酒井 敏行 武藤 倫弘
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.29-33, 2016 (Released:2016-02-26)
参考文献数
25

要約:症例対照研究やコホート研究ではアスピリンの常用者は大腸がんの発生頻度が低いことが多数報告されている.ランダム化比較試験においても,アスピリンは大腸がんの前がん病変である腺腫の発生を予防することがメタ解析レベルで示されている.大腸がんに関しては,これまで明らかではなかったが,アスピリン介入試験の終了後,長期間追跡すると大腸がんの発生を抑制することが示された.以上は欧米のデータであるが,日本でもアスピリンを用いた大腸がん予防を目的とした2 つの二重盲検無作為割付試験が報告されており,現在ではアスピリンの実用化に向け,最適化に関する大規模試験が行われている.本稿では,アスピリンの大腸がん予防介入試験の現状を紹介するとともに,アスピリンの標的として可能性のある血小板と大腸がんとの関連性について考察する.
著者
内藤 篤彦
出版者
The Japanese Society on Thrombosis and Hemostasis
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.297-301, 2015

要約:個体老化とは「加齢に伴い死亡率が増加する原因となる様々な臓器の機能低下」と定義される生命現象である.加齢に伴って免疫系が老化する結果,免疫系本来の非自己を排除する機構と炎症反応を制御する機構が低下し,高齢者で認められる易感染性や慢性炎症が引き起こされる.補体分子C1q は自然免疫系において重要な役割を果たす因子であり,免疫系の老化が引き起こす慢性炎症に伴って血中濃度が増加することが知られているが,われわれはC1q が補体経路非依存性に加齢に伴う骨格筋の再生能低下という老化現象の原因になっていることを報告している.本稿では前半に加齢に伴う免疫系の老化現象について概説し,後半では補体分子C1q による老化誘導のメカニズムについて述べる.
著者
稲葉 浩
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.524-533, 2015 (Released:2015-10-19)
参考文献数
12

要約:次世代シークエンス解析は,その圧倒的な塩基配列解読能力によって遺伝学や分子生物学の研究を一変させた.この技術は医学の分野にも多様な応用が可能であり,単一遺伝子に起因する遺伝性疾患の解析はもとより,がんや多因子疾患など,その発症や病態に遺伝子が関与する各種疾患を解析する目的で臨床医学にも応用され始めた.次世代シークエンスの有する“網羅的解析を迅速かつ低コストで行うことができる”という特長は,診断のためのツールとしても極めて有用である.本稿では次世代シークエンス解析について,自験例を交えて概説する.
著者
岩本 禎彦
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.26, no.5, pp.541-548, 2015 (Released:2015-10-19)
参考文献数
15

要約:最近の遺伝子解析技術の爆発的進化は,臨床医学における遺伝子診断を,ますます身近なものにすると期待されている.遺伝子診断の中でも生殖細胞系列の遺伝子診断は,①将来の発症予見性,②生涯変化しないこと,③非発症保因者を診断できること,④血縁者,人種,地域共同体に共有されている可能性があること,という,他の医療情報にはない特徴を持つために,最も倫理的な配慮が必要である.とりわけ保因者診断,発症前診断,出生前診断には,遺伝カウンセリングが必須である.また,次世代シークエンサーを用いて全ゲノムやエクソーム解析を行った場合には,本当に診断したかった症候に関連した遺伝子異常だけではなく,予期せぬ遺伝子に配列異常が見出された場合にどう伝えるべきかが問題になっている.遺伝性疾患の根本的治療として,従来,ウイルスベクターを用いた治療が行われているが,受精卵や胚を治療の対象とすることは禁じられている.最近,中国で受精卵のゲノム編集が実施されたことが発表され,物議を醸している.ヒトの生殖細胞のゲノム編集についての議論を,日本でも開始するべきと考える.その際,人類遺伝学を正しく理解しておくことが重要なことである.
著者
濱口 重人 朝野 和典
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.34-41, 2016 (Released:2016-02-26)
参考文献数
31

要約:好中球のneutrophil extracellular trap(s NETs)は,2004 年に,LPS やサイトカインなどの刺激に応じて,自己の核内のDNA を能動的に周辺に網目のように拡散し,細菌やウイルスなどの病原微生物をトラップすると同時に,DNA に付着する抗菌蛋白やヒストンで殺菌的に処理することで感染防御に働く自然免疫の新しい機構として発見された.その後の研究の進展によって,局所の感染症のみならず血栓形成やDIC との関連や,自己免疫疾患との関連など,当初の予想をはるかに超えた多彩な作用を持ち,種々の疾患の進展に関与していることが明らかになってきている.現在これまでの断片的な病態の理解をある程度集約化できる概念として登場してきており,NETs 研究の動向は新たなステージを迎えていると言える.

1 1 0 0 OA 肺血栓塞栓症

著者
長谷川 淳
出版者
The Japanese Society on Thrombosis and Hemostasis
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.36-40, 1990-02-01 (Released:2010-08-05)
参考文献数
1
著者
小泉 淳
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.370-379, 2013-08-01 (Released:2013-09-10)
参考文献数
13

a.急性胸痛・呼吸困難・失神などから急性肺血栓塞栓症が疑われてショック症状を呈する広汎型患者に対しては,ベッドサイドで低侵襲に施行可能な心臓超音波検査や胸部単純X線写真で拾い上げ,PCPSなどで管理しつつ血管内治療を兼ねた肺動脈造影で確定診断することになる.b.非広汎型では下肢静脈を含めたCTが第一に推奨される.c.ヨード系造影剤の使えないアレルギー,腎機能低下症例や,妊婦,臨床的に強く疑われるのにCTで陰性であった場合(末梢性のshower embolismなど),血栓溶解療法の際の治療効果判定例などに核医学検査を施行する.d.MRIは患者管理の困難性,空間分解能の低さ,撮像時間の長さにやや難があるが,CTを施行できない場合の代替手段として,また血栓のagingやperfusionなど,CT,核医学検査同等以上の情報を提供しうる.
著者
篠澤 圭子 野上 恵嗣
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.482-493, 2014 (Released:2014-09-03)
参考文献数
45
被引用文献数
1

要約:APC レジスタンス(APCR)の原因として発見されたFactor V R506Q(FV Leiden)変異は,欧米白人における主要な静脈血栓症のリスクファクターであるが,これまでアジア人からは検出されていない.今回私達は,血漿FV 活性が低下しているにもかかわらず,重篤な深部静脈血栓症をおこした日本人少年のFV 遺伝子からW1920R(FV Nara)変異を同定し,日本人において初めてAPCR に関連する血栓性素因を報告した.FV-W1920R は,APC から受ける不活性化と,APC によるFVIIIa の不活性化におけるコファクターとしての機能の,両者の機能障害によってAPCR を示すことを解明した.とくに,APC によるFVIIIa の不活性化に対するFV-W1920R のコファクター機能は,FVIII のR336 の開裂を完全に阻止することにより,FV-R506Qよりも強い機能不全であることを明らかにした.
著者
小林 達之助 海渡 健 大坪 寛子 薄井 紀子 相羽 恵介
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 = The Journal of Japanese Society on Thrombosis and Hemostasis (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.443-449, 2009-08-01
参考文献数
20

39歳,女性.2007年5月帝王切開直後からAPTT延長を伴う出血傾向を認め当院入院.APTT71.6秒,FVIII activity 3%,FVIII inhibitor 6BU/mlであり後天性血友病Aと診断.頻回かつ大量の遺伝子組換え活性化第VII因子(rFVIIa)製剤を使用し出血症状は軽減.FVIII inhibitorには副腎皮質合成ステロイド薬による免疫抑制療法を開始したが軽快せず,cyclosporine A(CyA)を併用したところ,inhibitorは約6ヶ月後に消失した.分娩後発症の後天性血友病ではFVIII inhibitorは自然経過にて消失するとの報告もあるが,本例では早期からのステロイド薬とCyAの併用が著効を呈した.分娩後発症の後天性血友病Aはしばしば重篤な出血症状を呈するため,止血療法としてのバイパス療法の施行基準及びCyAを含めた適切な免疫抑制療法の解析が必要である.
著者
久志本 成樹 工藤 大介 川副 友
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.399-407, 2016 (Released:2016-08-05)
参考文献数
69

要約:外傷患者の急性期死亡原因としての出血はきわめて重要である.従来,外傷後の急性期に認められる凝固異常は,アシドーシス,低体温などの生理学的恒常性の破綻や,輸液・輸血による希釈などに起因するものであり,治療に伴う副産物であるとされてきた.しかし,この10 年間,転帰に大きな影響を与える外傷急性期凝固障害の存在が広く認識された.外傷とこれに伴うショックにより惹起される線溶亢進病態であるacute traumatic coagulopathy,治療に関連する因子が加わり形成されるtrauma-induced coagulopathy がこれらを形成するが,そのメカニズムは必ずしも明確ではなく,病態解明のためのさらなる検討を要する.凝固障害の回避と治療であるdamage control resuscitation を理論的背景に基づき施行することは,今後の重症外傷に対する治療戦略としての中心的課題である.
著者
野川 茂
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.18-28, 2016 (Released:2016-02-26)
参考文献数
42
被引用文献数
4 1

要約:トルーソー症候群は「悪性腫瘍に合併する凝固能亢進状態とそれに伴う遊走性血栓性静脈炎」をさすが,脳梗塞の発症を機に初めて悪性腫瘍が発見されることも少なくない.このため,本邦では「悪性腫瘍に合併するDIC に伴う血栓症および非細菌性血栓性心内膜炎(NBTE)に起因する全身性(とくに脳)塞栓症」として理解されつつある.原因となる悪性腫瘍は,白血病を除けば,肺癌,膵癌,胃癌,卵巣癌(ムチン産生腫瘍)などの腺癌が圧倒的に多い.頭部MRI では多発性塞栓症を呈することが多く,約半数にNBTE が認められるが,経胸壁心エコーでの検出率は低く,経食道心エコーが診断に有用である.また,CA125 やCA19-9 などの高分子ムチンが,腫瘍マーカーあるいは塞栓形成物質として注目されている.治療では,ワルファリンの効果は不確実とされ,出血がコントロールされていれば,未分画ヘパリン静注やヘパリンカルシウム皮下注が用いられる.

1 0 0 0 OA ADAMTS13物語

著者
副島 見事 小亀 浩市 松本 雅則
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.377-397, 2009 (Released:2009-08-20)
参考文献数
86
被引用文献数
1 1