著者
林 翠芳
出版者
高知大学総合教育センター修学・留学生支援部門紀要編集委員会
雑誌
高知大学総合教育センター修学・留学生支援部門紀要 (ISSN:18831508)
巻号頁・発行日
no.2, pp.42-57, 2008-03

中国語に古くから伝わる諺に、「民以食为天」という言葉がある。食べることが生きる上で最も重要なことだ、という意味である。現代社会では、「食べる」ことを通して人間関係を保つのによく用いられる一つの手段でもある。その土地の気風を表わす言葉に、日本は昔から東京は「履き倒れ」、京都は「着倒れ」、そして大阪は「食い倒れ」がある。一方、中国では「穿在上海、吃在广州」といい、また、三つの「州 zhou」の韻を踏んで、「吃在广州、住在苏州、死在柳州」という言い方もある。中国も日本も食文化が非常に発達しており、こうして改めて「食」に関する諸表現を見てみると、その豊富さに驚くばかりである。語の基本義用法、派生義用法や慣用表現、そしてことわざなどさまざまな表現が見られる。本稿では、日中両言語において「食」を用いられている表現、特に、動詞「吃」(中国語)と「食う」(日本語)に関する諸表現について取り上げている。
著者
林 翠芳 大塚 薫 渡辺 春美
出版者
高知大学総合教育センター修学・留学生支援部門紀要編集委員会
雑誌
高知大学総合教育センター修学・留学生支援部門紀要 (ISSN:18831508)
巻号頁・発行日
no.3, pp.103-117, 2009-03

本稿は、文部科学省等関係省庁により発表された留学生万人計画実現に向けての本学における留学生の受入れから卒業後の進路までを見据えた体系的な対応策について提言したものである。本学における①留学生受入れのための全学的な情報の一元化及び教員の受入れ体制の構築、②県内の高等学校及び海外の協定校への進学説明会等リクルート活動の推進、③渡日前入学許可の推進及びアジア諸国をターゲットとした大学独自の入試制度の導入、④ダブル・ディグリーの取得や英語のみで修了できるコース等魅力あるカリキュラムの導入やコースの設置、⑤民間アパートの借り上げ拡充等宿舎の充実及び朝倉地区への国際交流会館の設置、⑥国際交流基金を原資とした大学独自の奨学金の継続・拡充、⑦留学生に一定枠を確保する授業料免除制度の改善、⑧協定校からの交換留学生拡充のための日本語補講授業の単位化、⑨アジア人財資金構想プログラムに伴う産官学の連携による留学生の就職支援体制の構築、⑩海外拠点における交流会等の実施による卒業後のフォローアップ体制の充実等の問題点において、提言を行った。