著者
Gillberg Christopher 是永 かな子
出版者
高知大学総合教育センター修学・留学生支援部門紀要編集委員会
雑誌
高知大学総合教育センター修学・留学生支援部門紀要 (ISSN:18831508)
巻号頁・発行日
no.4, pp.97-119, 2010-03

2009年10月8日に高知発達障害研究プロジェクト主催で高知県において行われたスウェーデン・イェーテボリ大学のクリストファー・ギルバーグ教授の講演内容を紹介する。内容はアスペルガー症候群についての診断と定義、有病率、他の障害との重複や併存、妥当性や信頼性、神経心理学的、神経生理学的、そして遺伝的特徴、転帰、検査、遺伝、介入等である。
著者
野田 尚史
出版者
高知大学総合教育センター修学・留学生支援部門紀要編集委員会
雑誌
高知大学総合教育センター修学・留学生支援部門紀要 (ISSN:18831508)
巻号頁・発行日
no.3, pp.29-43, 2009-03

国際化の時代になって,日本語を学習する日本語非母語話者の目的や学習環境も大きく変わってきた。それにともなって,日本語教育も「聞く」「話す」「読む」「書く」というコミュニケーション能力の育成が強く求められるようになってきている。これまで日本語教育で使われてきた教材は, 文型という言語形式を教えることが中心になっていた。そのような教材ではコミュニケーション能力の育成は難しい。コミュニケーション能力を育成するためには,これまでとはまったく違う新しい方針で教材を作らなければならない。新しい方針というのは, 「聞く」「話す」「読む」「書く」の教材を分けることや,現実的な状況を設定し,現実的な目的の達成を目標にすること,個別学習に対応できるようにすることである。
著者
林 翠芳
出版者
高知大学総合教育センター修学・留学生支援部門紀要編集委員会
雑誌
高知大学総合教育センター修学・留学生支援部門紀要 (ISSN:18831508)
巻号頁・発行日
no.2, pp.42-57, 2008-03

中国語に古くから伝わる諺に、「民以食为天」という言葉がある。食べることが生きる上で最も重要なことだ、という意味である。現代社会では、「食べる」ことを通して人間関係を保つのによく用いられる一つの手段でもある。その土地の気風を表わす言葉に、日本は昔から東京は「履き倒れ」、京都は「着倒れ」、そして大阪は「食い倒れ」がある。一方、中国では「穿在上海、吃在广州」といい、また、三つの「州 zhou」の韻を踏んで、「吃在广州、住在苏州、死在柳州」という言い方もある。中国も日本も食文化が非常に発達しており、こうして改めて「食」に関する諸表現を見てみると、その豊富さに驚くばかりである。語の基本義用法、派生義用法や慣用表現、そしてことわざなどさまざまな表現が見られる。本稿では、日中両言語において「食」を用いられている表現、特に、動詞「吃」(中国語)と「食う」(日本語)に関する諸表現について取り上げている。
著者
林 翠芳 大塚 薫 渡辺 春美
出版者
高知大学総合教育センター修学・留学生支援部門紀要編集委員会
雑誌
高知大学総合教育センター修学・留学生支援部門紀要 (ISSN:18831508)
巻号頁・発行日
no.3, pp.103-117, 2009-03

本稿は、文部科学省等関係省庁により発表された留学生万人計画実現に向けての本学における留学生の受入れから卒業後の進路までを見据えた体系的な対応策について提言したものである。本学における①留学生受入れのための全学的な情報の一元化及び教員の受入れ体制の構築、②県内の高等学校及び海外の協定校への進学説明会等リクルート活動の推進、③渡日前入学許可の推進及びアジア諸国をターゲットとした大学独自の入試制度の導入、④ダブル・ディグリーの取得や英語のみで修了できるコース等魅力あるカリキュラムの導入やコースの設置、⑤民間アパートの借り上げ拡充等宿舎の充実及び朝倉地区への国際交流会館の設置、⑥国際交流基金を原資とした大学独自の奨学金の継続・拡充、⑦留学生に一定枠を確保する授業料免除制度の改善、⑧協定校からの交換留学生拡充のための日本語補講授業の単位化、⑨アジア人財資金構想プログラムに伴う産官学の連携による留学生の就職支援体制の構築、⑩海外拠点における交流会等の実施による卒業後のフォローアップ体制の充実等の問題点において、提言を行った。
著者
Nagano-Madsen Yasuko
出版者
高知大学総合教育センター修学・留学生支援部門紀要編集委員会
雑誌
高知大学総合教育センター修学・留学生支援部門紀要 (ISSN:18831508)
巻号頁・発行日
no.3, pp.83-91, 2009-03

語を句や節といった単位にまとめ、それをひとつのイントネーションの単位として発話するのは、異なった言語、方言間にひろく認められる現象である。しかし、具体的なまとめかた、またピッチ領域の使い方などについては言語、方言間で違いが認められるようである。本稿では、形容詞句、副詞句、およびそれらが埋め込まれた連体修飾節について、ひとつのイントネーション単位(ダウンステップ)として発話される傾向および先行アクセントと後続アクセントのピッチピーク値の差を、高知方言と東京方言について実験し比較した。その結果、高知方言ではイントネーション単位が小さくなる傾向がある事、また連続するアクセントのピッチ値の差が東京方言より小さい事がわかった。
著者
是永 かな子
出版者
高知大学総合教育センター修学・留学生支援部門紀要編集委員会
雑誌
高知大学総合教育センター修学・留学生支援部門紀要 (ISSN:18831508)
巻号頁・発行日
no.4, pp.79-95, 2010-03

本研修の成果と課題を以下のように考察した。第一に研修プログラムに参加する教員の選定については、今回から高知県教育委員会を通じて高知県下の全教職員に呼びかけることができるようになった。今後もこの形態で広報が継続されることは重要であろう。第二にプログラムの時期の調整については、日常業務に支障のない長期休業中という点を考慮すると、現時点では春休みの設定が最善であった。第三に現地でのコミュニケーションについては、複数回の海外渡航経験があることや英語担当教員であることなどの条件が課せられよう。その上で、複数人で参加すること、予備知識を蓄えて研修に入ることなどが望まれる。第四にプログラムの内容については、今回は教員宅へのホームステイや学童保育、就労支援施設、生徒の実習先、研究所、大学など多様な場所を訪問したが、研修希望と合致しなかった部分もあるため、今後も改善は必要であろう。