著者
敷地泰成 長谷川雄基 松本将之 林和彦
雑誌
コンクリート工学年次大会2023(九州)
巻号頁・発行日
2023-06-16

本研究では,摩耗とカルシウム溶脱が進行した水路コンクリートにおけるけい酸塩系表面含浸工法の適用性の検討を目的として,モルタル供試体を使用した基礎実験を行った。結果として,カルシウム溶脱が進行することで,表層部が脆弱となり,摩耗が進行しやすくなることが確認できた。カルシウム溶脱が生じたモルタルにおいても,含浸材による改質効果は発揮されることが分かった。しかしながら,溶脱後に含浸材を塗布した場合に期待できる改質効果は,無溶脱のモルタルに含浸材を塗布する場合に期待できる改質効果よりも劣ることが明らかとなった。
著者
長谷川雄基 長束勇 谷村成 佐藤周之
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学年次大会2017(仙台)
巻号頁・発行日
2017-06-13

本研究では,コンクリートの表層品質の評価指標として適用される表層透気係数に着目し,表層透気試験の結果からコンクリートおよび無機系補修材料の耐摩耗性を推定する手法を実験的に検討した。結果として,表層透気係数と摩耗質量との間には関連性のあることが確認でき,表層透気係数から耐摩耗性を推定可能な関係式を示した。しかしながら,けい酸塩系表面含浸材は,塗布する銘柄ごとに表面改質効果が異なることから,表層透気係数と摩耗質量との間には必ずしも一定の傾向が成立しないことが示唆され,本研究で導いた関係式による推定の精度が低下するケースのあることが考えられた。