著者
林田 精郎
出版者
Japan Society of Engineering Geology
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.103-111, 1973-09-30 (Released:2010-02-23)
参考文献数
23

岩石の弾性係数は測定のために加えられた応力の大きさと応力速度の関数である。応力速度が大きい程, 応力が小さい程見掛けの弾性係数が大きくなる。このような力学的特性をもつ岩石は, 塑性要素と遅延要素とが連続的に分布する力学的モデルで代表させることができる。この場合, 個々の要素の定数は応力の大きさ, 応力速度などによって変るのでそれ程大きな意味はもっていない。岩石は固結の程度によって塑性的性質の顕著に現われる応力領域がある。これは岩石を力学的に研究する場合に重要なことである。
著者
林田 精郎
出版者
一般社団法人日本応用地質学会
雑誌
応用地質 (ISSN:02867737)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.150-156, 1971-09-01
被引用文献数
1

岩石の強度はそれを構成する鉱物や岩片の粒径と密接な関係があり,最大粒径を Griffith のいう割れ目の長さに対応させることにより岩石の強度論に Griffith の破壊理論を導入することの正当性を立証することができる.また,岩石の強度とヤング率との間に一定の関係があることが理論的にも実験的にも知られたこと,および静ヤング率と動ヤング率とにはその傾向において大きな違いがないことから弾性波速度と強度との間に一定の関係がある,それは,岩相と地質時代を考慮して両者を比較することによつて明らかになった.