著者
枡 武彦 安藤 良晴 飯塚 ふみ子 飯塚 芳夫 手島 貞一
出版者
東北大学歯学会
雑誌
東北大学歯学雑誌 (ISSN:02873915)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.49-52, 1984-08-15

ヤマカガシ咬傷後, Defibrination syndromeからDIC症候群に移行して重篤な出血傾向に腎不全を合併し, 交換輸血と血液透析を施行して救命された。受傷後2ヵ月目に当科を受診したが, 両側下顎骨骨体部下縁に著明な骨添加による膨隆を認めた。これはヤマカガシ咬傷後の歯肉出血にともなって下顎骨骨体部骨膜下に形成された血腫が器質化後骨添加によって生じたものであると考えられた。3年4ヵ月後の現在, 添加骨は吸収されてきており, 皮質骨は平坦になってきている。