著者
横田 聡 御舩 尚志 光延 文裕 保崎 泰弘 芦田 耕三 柘野 浩史 谷崎 勝朗 斎藤 勝剛 多田 慎也 原田 実根
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.511-519, 1997
被引用文献数
4

気管支喘息患者25例 (男性10例, 女性15例, 年齢平均60歳) に対して, 当院に入院のうえ複合温泉療法 (温泉プール水泳訓練または歩行訓練, 鉱泥湿布療法, ヨードゾル吸入療法) を行い, 温泉療法の心理的・精神的要素に対する効果の評価を目的として, 入院時と退院時に心理学的検査 (CMI, SDS, およびCAI) を実施し, 比較検討を加えた。(1) CMIでは, 呼吸器系およびCIJ症状に改善がみられたが, 精神的自覚症では有意差はなかった。(2) 温泉療法後, SDSの平均値は38.7から34.2へ有意に改善し, SDS値≧40の症例も12例から3例に減少した。(3) CAIの各心理項目でスコアの有意な低下が観察され, 特に予後悲観と治療意欲の減退の項目でその割合が大きく, 各項目の平均値であるCAIスコアでも, 37.9から28.4へ有意な低下を認めた。複合温泉療法により, 気管支喘息の心理的・精神的要素の関与する症状, および, うつ的, 神経症的状態が改善されることが示唆された。
著者
高田 真吾 岡本 誠 柘野 浩史 原田 誠之 保﨑 泰弘 御舩 尚志 光延 文裕 谷崎 勝朗 新谷 憲治 原田 実根
出版者
岡山大学医学部附属病院三朝分院
雑誌
岡大三朝分院研究報告 (ISSN:09187839)
巻号頁・発行日
vol.71, pp.68-72, 2001-02-01

播種性血管内凝固症候群(DIC)を合併した全身性エリテマトーデス(SLE)を経験したので報告する。症例は73歳女性。64歳時慢性関節リウマチ(RA)と診断された。1999年1月食欲低下を訴え当科受診した。血小板減少、FDP高値、PT上昇等よりDIC発症を疑った。膠原病では凝固系の異常を認めるが、本症例では凝固系が完進しDICを来したと考えられた。本症例はリウマチ因子陽性であったが、朝のこわばり等典型的なRAの所見に乏しく他の膠原病の合併を疑い、腎障害、血小板減少、抗Sm抗体、抗核抗体陽性よりSLEと診断した。A case of disseminated intravascular coagulation (DIC) in a patient with systemic lupus erythematosus (SLE) was described. A 73-year-old female was diagnosed as havingrheumatoid arthritis when she was 64 years old. In Jan, 1999, the patient was admitted to our hospital with the complaint of loss of appetite. She was suspected of DIC because ofthrombocytopenia, increased fibrin degradation product and prolonged prothrombin test.Abnormality in coagulation system is recognized in collagen disease. In this case coagulation system was activated and DIC occurred.In this case rheumatoid factor was positive. But she was suspected of complicating other collagen disease because she was poor in typical characteristics of rheumatoid arthritis,such as morning stiffness. SLE was diagnosed on the basis of renal injury, thrombocytopenia, positive anti-Sm antibodyand positive antinuclaer antibody in this case.