著者
柳川 篤志 川端 祐一郎 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.75, no.6, pp.I_351-I_368, 2020 (Released:2020-04-08)
参考文献数
37

現在わが国の人口は東京へ一極集中しており,世界の先進諸国と比較しても東京への集中度合いは非常に高い.人口の一極集中には地方の衰退,首都における災害等への脆弱性という弊害が存在しており,東京一極集中は是正されるべきであると考えられる.一極集中の是正へ向けてはその要因を検証していくことがまずもって必要である.国内外の既往研究においては,一極集中の要因を巡る研究がなされてきたが,定量的な分析に基づく実証研究は十分になされていない.そこで本研究では,鉄道整備が人口の一極集中に与える影響を明らかにすることを目的とし,国内外のデータを利用し実証的な分析を行った.その結果,鉄道インフラの偏在が人口移動に影響をもたらし,鉄道整備の東京圏への一極集中が,人口の東京圏への 一極集中をもたらす可能性が示唆された.
著者
片岡 将 柳川 篤志 田中 皓介 川端 祐一郎 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.75, no.5, pp.I_375-I_386, 2019 (Released:2019-12-26)
参考文献数
25

本研究では,交通インフラ整備がもたらすマクロ経済上の効果及び各地域の人口や経済力の分布の変動をシミュレーションするため既往研究で提案されているモデル(MasRAC)を用いて,新幹線の新規整備効果を推計した.その結果,新幹線の新規整備が我が国の実質GDPの向上に寄与し,一定のマクロ経済改善効果があることが確認された.地方別の生産額及び人口の変化に着目した分析では,現状整備との比較 においてリニア中央新幹線の整備や新幹線の全国整備を進めた場合,関東地方の人口が最大4.2%,GRPは最大5.3%の水準で少ない一方,各地方においては人口等が多く,「分散化」効果があることがわかった.これらの結果は,新幹線の新規整備が我が国全体の成長力向上に寄与し,また人口と経済力の偏在状況を改善する効果を持つことを示すと言える.
著者
柳川 篤志 川端 祐一郎 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学)
巻号頁・発行日
vol.75, no.6, pp.I_351-I_368, 2020

<p><tt>現在わが国の人口は東京へ一極集中しており,世界の先進諸国と比較しても東京への集中度合いは非常に高い.人口の一極集中には地方の衰退,首都における災害等への脆弱性という弊害が存在しており,東京一極集中は是正されるべきであると考えられる.一極集中の是正へ向けてはその要因を検証していくことがまずもって必要である.国内外の既往研究においては,一極集中の要因を巡る研究がなされてきたが,定量的な分析に基づく実証研究は十分になされていない.そこで本研究では,鉄道整備が人口の一極集中に与える影響を明らかにすることを目的とし,国内外のデータを利用し実証的な分析を行った.その結果,鉄道インフラの偏在が人口移動に影響をもたらし,鉄道整備の東京圏への一極集中が,人口の東京圏への 一極集中をもたらす可能性が示唆された.</tt></p>