著者
山田 慎太郎 藤井 聡 宮川 愛由
出版者
人間環境学研究会
雑誌
人間環境学研究 (ISSN:13485253)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.155-164, 2016 (Released:2017-01-06)

A referendum in a manner of direct democracy has been occasionally adopted in Japan for a political decision. However, it may not always maximize public interest, and it may thus lead failure. This referendum failure can easily emerge when those who insist a controversial policy, such as politicians who can benefit from the policy, use sophistry to justify the policy. This is because voters can not rationally judge the policy ouing to the sophistry. In this research we focus on politicians' remarks related to the referendum of "Osaka Metropolis Concept" of which voting day was 17th May, 2015 in Osaka City. We quantitatively analyzed remarks by 2 politicians, who are representative debaters in 2 major political parties in Twitter for a month (from 17th, April, 2015 to 17th, May, 2015), and remarks by them in a debate TV program casted in 12th, February, 2015. The result indicates that sophistry accounted for 33.9 % of the Twitter sentences and 48.0 % of the verbal sentences spoken by a politician who insisted the concept, whereas almost no sophistry (only 0.1 %) for the other politician. This result implies that there was risk that voters might not be able not rationally judge based on such frequent sophistry.
著者
藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木學會誌 (ISSN:0021468X)
巻号頁・発行日
vol.97, no.9, pp.50-51, 2012-09-15
著者
藤井 聡 竹村 和久 吉川 肇子
出版者
東京工業大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

いかなる社会システムにおいても,多様な価値観が共存している.こうした価値観の多様性は,共存共栄によって社会システムの潜在的な環境適用能力を確保し,より望ましい発展を遂げる重要な条件となる.しかし,一方で,深刻な対立を引き起こす"時限爆弾"でもある.例えば,現在深刻な問題を迎えている米国におけるテロ事件も,価値観の対立が生み出した悲劇と捉えることが出来よう.そして,平和と言われる我が国でも,局所的な価値の対立は近年の重要な社会問題を引き起こしている.本研究では以上の認識に基づき,人々の価値観,ならびに合意形成が問題となる社会行動についての調査を行い,社会行動における人々の価値観の演ずる役割を明らかにした.具体的には,原発事故や医療事故などの複数のリスク問題を例にとり,それぞれのリスク問題についてどのようにすれば「安心できるか」という質問を行った.その結果,そのリスクの規模が小さく,かつ,その確率が低い,といういわゆる客観的なリスクを最小化するような施策だけではなく,リスク管理者が「信頼できる」という条件がきわめて重要な役割を担っていることが明らかとなった.さらに,リスク管理者が関係する不祥事が発覚した場合,信頼は低下すること,ならびに,信頼が低下することで,リスク管理者を監視使用とする動機が増強されることも明らかになった.ただし,リスク管理者の対応が誠実であれば,信頼低下は抑制できることも示された.
著者
羽鳥 剛史 藤井 聡
出版者
日本社会心理学会
雑誌
社会心理学研究 (ISSN:09161503)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.87-97, 2008
被引用文献数
2

Regional subsistence can be improved if and only if at least one local resident exhibits altruistic and cooperative behavior. This is known as the volunteer's dilemma. This study aimed to examine the social conditions that encourage such pro-social behavior in a local community. For this purpose, a mechanism creating altruistic behavior is modeled that is based upon the idea of multilevel selection in evolutionary theory. We present a dynamic model including both group selection and individual selection. We derive analytical solutions from the model in order to investigate the conditions under which altruistic behavior can emerge. A numerical analysis of time-dependent solutions is conducted using the Runge-Kutta method. Stationary solutions of the dynamic model are then analytically derived. The result indicates that group selection could be an important force to encourage altruistic behavior. Finally, based on the analysis, measures that promote voluntary pro-social behavior are discussed.
著者
梶木 尚美 藤井 聡子 森田 浩司
出版者
大阪教育大学附属高等学校池田校舎
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.43, pp.1-17, 2010-12-22

新学習指導要領では、地歴科の各科目を他の二科目と関連付けながら教えるようにと指示している。本校地歴科では、日本史・世界史・地理の教員が大黒屋光太夫をテーマに共同研究をすすめ、教材作成と授業実践を行った。またデジタル化の進みにくい歴史の授業でデジタル教材の作成とプロジェクターを用いた授業展開の可能性を探った。
著者
竹村 和久 吉川 肇子 藤井 聡
出版者
Sociotechnology Research Network
雑誌
社会技術研究論文集 (ISSN:13490184)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.12-20, 2004
被引用文献数
3 4

本論文では, 種々の社会的リスクについて議論するための意思決定論的枠組を提供する. 筆者らには, これまでの伝統的リスク解析研究者, リスク社会学者, 予防原則を擁護する人々の間では, 社会的リスクに関連する環境の不確実性をどのように把握して, 考察するかということに関して, 共通の認識枠組がないように思われる. 本論文では, 不確実性を, 意思決定主体の環境の構造によって分類して, これらの社会的リスクに関わる問題がどのようなものであるかを, 不確実性下の意思決定問題として検討する. また, 本論文で提案する理論枠組が, 今後の社会的安全のための技術の一過程としてのリスク評価にどのような応用的含意があり得るのか考察を行う.
著者
藤井 聡 柴山 桂太 中野 剛志
出版者
人間環境学研究会
雑誌
人間環境学研究 (ISSN:13485253)
巻号頁・発行日
vol.10, no.2, pp.85-90, 2012 (Released:2013-01-11)
参考文献数
15
被引用文献数
1

In this paper, a theoretical hypothesis that public works would have deterrence effects of deflation under the situation that deflation-gap exists was tested empirically. For testing this hypothesis empirically, we used macro-economics data in Japan since 1991 when the huge deflation-gap was brought by the collapse of the babble economy. As a result, we found that 1,000 billions yen's public works increases the GDP deflator by 0.2-0.8 % and increases nominal GDP by about 2,430 billions yen - 4,550 billions yen. This results support the hypothesis that public works would have deterrence effects of deflation under the situation that deflation-gap exists. It was also found that the deflation deterrence effects by the public works was larger than that by the in-crease export.
著者
阿部 正太朗 藤井 聡
出版者
The City Planning Institute of Japan
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.37-45, 2015

自転車の放置駐輪は、社会的ジレンマ構造を内包し大きな社会問題となっている。京都市では放置駐輪に対して、駐輪場増設や撤去取締りなどに力を入れている。また、放置駐輪への警告看板を市内のいたるところに設置しているが、その内容は放置自転車の撤去に関する記載に留まり、看板自体も老朽化、陳腐化している。本研究では、心理学などの知見を援用しつつ、放置駐輪の抑制を目的としたポスターを設計した。そして、設計したポスターを、実際に放置駐輪多発地点に設置し、その効果の検証を試みた。その結果、自転車放置者が自転車の放置をためらう意識の活性化等が確認され、ポスター設置による放置駐輪抑制効果が示された。
著者
笈田 翔平 佐藤 慎祐 白水 靖郎 松島 敏和 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.I_563-I_572, 2012 (Released:2013-12-25)
参考文献数
14

本研究では,現行のPT調査データと商業統計調査データを横断的に活用し,それらの関連分析を実施した上で,「目的別・交通手段別集中交通量」と「小売業業態別店舗面積」に基づいて「ゾーン毎・業態別年間販売額」を算定する「商業売上予測モデル」の構築を試みた.そして,それらの関連分析及びモデル構築の結果,「商業売上」と「集中交通量」の間には明確に正の相関があり,加えて,交通目的や手段の相違によっても商業売上への影響度合いが異なることが明らかとなった.さらに,構築した商業売上予測モデルの感度分析を実施した結果,手段分担率の変化は商業売上の増減に大きく影響することが確認され,とりわけ,買物活動を企図としたトリップの交通手段を公共交通へとシフトさせることは商業の活力向上にとって重要な要件であることが分かった.
著者
藤井 聡
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.27-41, 2005 (Released:2006-04-29)
参考文献数
40
被引用文献数
8 6

本研究では,公共事業の合意形成問題における公共受容の問題を考えるために,受容意識に関わる因果関係と信頼の醸成に関する仮説を措定し,それを検証するための実験を行った。すなわち,受容意識は自由侵害感と公正感に,公正感は手続き的公正感と分配的公正感と公共利益増進期待に,そして,手続き的公正感と公共利益増進期待は行政に対する信頼にそれぞれ影響を受けるという仮説を措定した。また,公共事業の趣旨を理解している場合には,そうでない場合よりも,その公共事業の実施者に対する信頼の水準は高くなるという仮説を措定した。以上の仮説を検証するために,都心部の渋滞や大気汚染を緩和する目的で都心部への自動車流入に関する罰金を伴う規制施策を実施するという想定のシナリオ実験(n=800)を行ったところ,以上の仮説を支持する結果が得られたと共に,行政への信頼は受容意識,自由侵害感,公正感,分配的公正のそれぞれに対しても直接的な影響を及ぼしていること,ならびに,公共事業の趣旨の教示の信頼に対する効果は,罰金額が一万円の場合の方が千円の場合よりも小さいという結果が得られた。
著者
藤井 聡 小畑 篤史 北村 隆一
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.439-445, 2002-09-30 (Released:2010-06-04)
参考文献数
12
被引用文献数
2 5

本研究では, 路上放置自転車問題における心理的方略の一つとして, 施策としての “説得”(あるいは, 説得的コミュニケーション) の有効性を確認するためのフィールド心理実験を行った. 実験では, 被験者 (n=99) を複数のグループに分け, 何種類かの説得的コミュニケーションを行ったところ, 自転車放置行為の問題を指摘し, かつ, 自転車放置行為を止めるために必要な方法を具体的に提示することで, 放置自転車行為の実行頻度は3割減少することが見いだされた.
著者
羽鳥 剛史 小松 佳弘 藤井 聡
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.423-431, 2008 (Released:2011-10-15)
参考文献数
23
被引用文献数
3 1

This study developed a scale measuring the spiritual vulgarity of the masses, based upon Ortega's “The revolt of the masses” (1957). A questionnaire was constructed with forty items, based on Ortega's descriptions of the characteristics of the spiritual vulgarity of the masses. The questionnaire was completed by 200 university students. The results of factor analysis of the vulgarity measurements yielded two subscales; autistic attitude and contumelious attitude. The two scales were correlated with other existing measures of social values, which was further evidence of validity.
著者
田中 皓介 中野 剛志 藤井 聡
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.69, no.5, pp.I_353-I_361, 2013

人文社会科学において,"物語"は,人間,あるいは人間の織り成す社会の動態を理解するにあたって重要な役割を役割を担うものと見なされてきている.それ故,人間や社会を対象として,公共的な観点からより望ましい方向に向けた影響を及ぼさんと志す"公共政策"においても,物語は重大な役割を担い得る.また公共政策の方針や実施においては,マスメディアが少なからぬ影響を及ぼしていることが十二分に考えられる.ついては本研究では,現在の日本において,政策が決定,採用されてきた背景を把握するにあたり,新聞の社説を対象とし,新聞各社に共有されている物語を定量的に分析することとする.
著者
門間 俊幸 樋野 誠一 小池 淳司 中野 剛志 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント) (ISSN:21856605)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.I_327-I_338, 2011 (Released:2012-03-30)
参考文献数
20
被引用文献数
1

公共事業関係費の適正規模を検討するには,公共投資額とその効果についての適切な把握は重要な判断材料となる.現在,財政支出を行うための財源調達については,税金,利用者負担だけでなく,政府の公債発行が行われることが多い.公債発行は金融市場の需給に影響することから,経済状況がインフレ期なのかデフレ期なのかによって,公共投資効果も大きく異なることが予想される.本稿では,現在のマクロ経済状況を最新のデータに基づき分析・整理した上で,道路投資額及び道路整備量から国内総生産の変化等を推計するマクロ計量経済モデルを構築する.その際にインフレやデフレの時の需給バランス及びこれに伴う価格調整メカニズムを考慮することにより,現下の経済情勢等を踏まえた従来のマクロ計量経済モデルの課題点の検証を行った.その結果,現在の経済状況は流動性の罠に陥っているデフレ状態の可能性があること,デフレ時には国債発行によるクラウディング・アウトが生じ難いこと,公共投資の効果がインフレ時に比べ効果が大きく表れる傾向があることが示された.
著者
宮川 愛由 田中 謙士朗 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.344-355, 2016

本研究は都市計画,土木計画に抜本的な影響を及ぼす地方政府の統治機構改革を決する政治プロセスの合理化に資する効果的なコミュニケーションについての実証的知見を得る事を目的として,大阪市を廃止して都区制度を導入する,所謂「大阪都構想」を巡る住民投票を事例として,有権者の接触メディアと政策判断との関係性を分析した.その結果,テレビや新聞といった両論併記が原則となる情報媒体を参考にする傾向が高い有権者は,情報の真偽の判断が困難となるが故に従前の意見を変化させない一方で,意見を変化させた人々の内,「反対」に転じた人々は精緻化見込理論でいうところの事実情報に基づく「中心ルート」によって,「賛成」に転じた人々は「周辺ルート」によって態度を変容させたことを示唆する分析結果が示された.
著者
田中 皓介 池端 菜摘 宮澤 拓也 宮川 愛由 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集F4(建設マネジメント) (ISSN:21856605)
巻号頁・発行日
vol.72, no.4, pp.I_33-I_42, 2016 (Released:2017-01-31)
参考文献数
21

わが国の経済は,1998年から長いデフレ不況の状態にある.デフレ脱却のために,財政政策による需要創出の有効性が示唆されているにも関わらず,1998年以降の公共事業費は削減され続けてきた.その背景として,経済政策の決定に多大な影響を及ぼすと考えられる内閣府の経済財政モデルが算出する乗数効果の小ささが挙げられる.そこで本稿では,内閣府モデルの妥当性の検証を行った.その結果,内閣府モデルには輸出入均衡値という概念が導入されており,輸出入を通じて均衡への調整が行なわれる構造が存在することを指摘した.その上で、マクロモデルに均衡値概念を導入することによって算出される乗数効果が大きく低下することを実証的に示すとともに,均衡値を導入することの不当性を明らかにした.
著者
藤井 聡
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.667, pp.41-58, 2001-01-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
76
被引用文献数
4 5

本研究は, 交通問題は経済問題ではなく社会問題であるとの認識のもと, 社会的ジレンマの理論的枠組みの中で交通問題を捉え直すことで, その解消に向けての手掛かりを見いだすことを目的とする. 最初に, 土木計画のための社会的ジレンマの定義を提案するとともに, 過去の社会心理学, 社会学における実証研究から明らかにされているジレンマ解消策を概観する. そして, それらの交通問題への適応可能性に検討を加え, テストケースとして韓国ソウルの事例を挙げて, 社会的ジレンマの諸理論の現実的妥当性を確認する. それらの理論的検討を通じて, 交通問題の解消にあたってはロードプライシングや交通規制だけでなく, 人々の公共心を活性化することが必須であることを指摘し, そのための実務的, ならびに科学的研究努力が不可欠であることを主張する.