著者
岡安 隆 柳田 伸顕 古田 高士
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

〈研究分担者柳田伸顕〉研究代表者の岡安隆氏はある種の微分方程式を巧みに使うことにより、最近、Euclid空間内の完備な正定曲率超曲面を具体的に構成し日本数学会のジャーナルに出版している。そのアイデアを使いWeingarten超曲面を具体的に構成しようとしていた。研究はうまく進んでいると聞いていたが、昨年の12月に突然その岡安隆氏が亡くなったので、その内容は永久に分からなくなってしまった。なお研究分担者の柳田伸顕は、Weingarten超曲面を具体的に構成とは直接関係はないが、ある種の群のChow環を岡安隆氏の影響を受け、幾何学見地から調べてやはり今年度、日本数学会のジャーナルに出版している。〈研究分担者古田高士〉ユークリッド空間内に、直交群の部分群の作用の下で不変であるという高い対称性をもった、完備極小超曲面を構成することができ、それらは13種類の多様体のいずれかに微分同型で、各種類において合同でないものが無限個構成することができることを示した。EBombieri, EDeGiorgiとEGiustiによる構成をその他の余等質=2の表現に拡張したものであるとともに、Bombieri達の証明法とは全く違う手法をとることにより、非常に簡単に大域的な解の存在を示すことができた。このタイプの極小超曲面は岡安自身の1999年度~2000年度の基盤研究(C)で得られたものしか知られていず、まったく新しい発見である。この手法は双曲空間に自然に作用する直交群の部分群で余等質=2の表現について、完備極小超曲面の構成について理論が発展できる。
著者
柳田 伸顕 手塚 康誠 兼田 正治 工藤 研二
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

此の研究者、柳田(研究代表者)、工藤、兼田、手塚による研究課題'群のコホモロジーとBP理論の研究'において幸いにも多くのコホモロジーを計算することができ、それらをかなりの数の論文として発表することができた。まず柳田とアメリカの共同研究者によってBP-theoryとMorava K-theoryの関係が詳しく調べられた。その結果もしMorava K-theoryが偶数次元の元だけで生成されていればBP-theoryもそうなる事を証明した。またBSL(Z)のmod2コホモロジーを完全に決定した。工藤と柳田はH-空間、特に例外リー群がtorsionを持つ場合にホモトピー性質(homotopy normality,homotopy nilpotency)を詳しく調べた。兼田は標数正の代数群のコホモォジーの良いfiltrationを与えている。