著者
間下 克哉 橋本 英哉 宇田川 誠一 田崎 博之 古田 高士
出版者
東京農工大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

(1)コンパクト単純リー群へのカルタン埋め込みの像の極小性と安定性を・埋め込みが位数2または3の自己同型により定められる場合・埋め込みが位数4の内部自己同型により定められる場合についてすでに決定していた.位数4の外部自己同型が定めるカルタン埋め込みの像の極小性および安定性を決定した(2)8次元ユークリッド空間の6次元部分多様体でスピノル群Spin(7)の作用で不変なものを橋本,古田,関川との共同研究により分類した.(3)SU(2)の実既約表現の軌道として得られる7次元球面内の3次元部分多様体で,その上の錐がケイリーキャリブレーションでキャリブレートされるものを全て決定した。(4)SU(2)の実既約表現Vのp階外積表現内のSU(2)不変元を具体的に構成する方法について考察した.一例として,11次元実既約表現の3次の外積内の不変元を具体的に構成した.
著者
岡安 隆 柳田 伸顕 古田 高士
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

〈研究分担者柳田伸顕〉研究代表者の岡安隆氏はある種の微分方程式を巧みに使うことにより、最近、Euclid空間内の完備な正定曲率超曲面を具体的に構成し日本数学会のジャーナルに出版している。そのアイデアを使いWeingarten超曲面を具体的に構成しようとしていた。研究はうまく進んでいると聞いていたが、昨年の12月に突然その岡安隆氏が亡くなったので、その内容は永久に分からなくなってしまった。なお研究分担者の柳田伸顕は、Weingarten超曲面を具体的に構成とは直接関係はないが、ある種の群のChow環を岡安隆氏の影響を受け、幾何学見地から調べてやはり今年度、日本数学会のジャーナルに出版している。〈研究分担者古田高士〉ユークリッド空間内に、直交群の部分群の作用の下で不変であるという高い対称性をもった、完備極小超曲面を構成することができ、それらは13種類の多様体のいずれかに微分同型で、各種類において合同でないものが無限個構成することができることを示した。EBombieri, EDeGiorgiとEGiustiによる構成をその他の余等質=2の表現に拡張したものであるとともに、Bombieri達の証明法とは全く違う手法をとることにより、非常に簡単に大域的な解の存在を示すことができた。このタイプの極小超曲面は岡安自身の1999年度~2000年度の基盤研究(C)で得られたものしか知られていず、まったく新しい発見である。この手法は双曲空間に自然に作用する直交群の部分群で余等質=2の表現について、完備極小超曲面の構成について理論が発展できる。
著者
東川 和夫 野口 潤次郎 古田 高士 渡辺 義之 清水 悟 児玉 秋雄
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

当初の研究目的は、被覆写像に対して、両多様体の多様複素グリーン関数及び対応する不変計量に関する不等式がいつ等号になるか、例で調べてみること。等質有界領域のバーグマン計量に対する正則双断面曲率が非正であれば、擬対称領域かという問題に解答をつけること。この2点であったが、いずれも記述すべき進展が見られなかった。この問題に関連して、次の3つの新しい結果を得た。(1)上に伸びる連分数展開を考えることによって、閏年を4年に一度置き、それを32回に一度やめ、そのやめることを691回に一度やめ、それをやめることを、703回に一度やめれば、真の時間と暦上の時間との違いは、常に24時間以内であることを示した。(2)互いに素なAとBに対して、pはAの平方とBの平方の和であり、奇数であるとする。このとき、(i)直交する二つの位数pのラテン方陣で、それぞれが、対蹟的完備であるものが存在する。ここで、ラテン方陣が対蹟的完備であることは、すべての対蹟の関係にある位数がAの方陣と位数Bの方陣を合わせたものに文字の重複がないことである。(ii)位数pの魔方陣で、対蹟的完備であるものが存在する。ここで、魔方陣が対蹟的完備とは、すべての対蹟の関係にある位数がAの方陣と位数Bの方陣を合わせたものの数の和が定和になることである。(3)5以上の自然数Nに対して、合同変換群が位数Nの回転群でしかないような1つの平行6辺形による平面のタイル張りが存在することを示した。