著者
木本 志津江 砂田 祥司 柴崎 千代 小川 喜通 實森 直美 清水 洋祐 國冨 留美 小川 弘太 市場 泰全
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.9, no.4, pp.501-504, 2014 (Released:2014-10-04)
参考文献数
15

【目的】難治性嘔吐に対しオランザピンを使用し, 経過途中でせん妄, 痙攣が生じた症例を経験したので報告する.【症例】70歳代, 男性. 肺がん. 化学療法後, 持続する嘔気・嘔吐に対し, オランザピンを使用した. せん妄が出現し, その後, 痙攣が出現した. せん妄のリスク因子の除去後もせん妄症状の改善がみられなかった. オランザピン中止後, せん妄症状が改善した. バルプロ酸を使用し, その後痙攣発作は生じなかった.【結論】オランザピン中止後, せん妄は改善し, 痙攣発作も消失したので, オランザピンがせん妄や痙攣発作の要因であった可能性が考えられた.
著者
岡田 剛 高村 真広 市川 奈穂 増田 慶一 柴崎 千代 吉野 敦雄 撰 尚之 町野 彰彦
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.181-184, 2017 (Released:2019-07-30)
参考文献数
20

機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging:fMRI)は,比較的高い空間分解能と時間分解能で非侵襲的に脳機能を評価できる手法として,精神疾患の脳メカニズム研究にも応用され多くの研究成果が報告されている。うつ病研究においては,背外側前頭前野を含む中央実行ネットワークおよびデフォルトモードネットワークの異常が比較的一貫性のある結果として得られているが,現段階は診断や治療反応性予測に利用可能なfMRIバイオマーカーは確立していない。本稿では,うつ病のfMRI研究に関する主な知見を概説するとともに,機械学習の手法を用いたうつ病のfMRIバイオマーカー開発の現状について紹介し,今後の臨床応用への課題と展望について考察する。