著者
岡崎 善弘 井邑 智哉 高村 真広 徳永 智子
出版者
日本時間学会
雑誌
時間学研究 (ISSN:18820093)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.1-7, 2018 (Released:2019-05-01)

夏休みの宿題は短期間で終えることができないため,児童は夏休み前に取り組み方を計画する。本研究は,小学生 (小学4年生~6年生) を対象として,計画した通りに宿題に取り組むことができたのか調査した。宿題に取り組む計画を事前に調査し,長期休暇が明けた後に実際の取り組み方を調べた結果,長期休暇の前半で宿題を終える計画 (前半集中型) は破綻している割合が他の計画タイプよりも高かった。さらに,宿題の取り組み方と夏休み明けのストレスの関連を調べた結果,夏休みの後半から宿題に取り組んだ児童は他の児童よりストレスは高いことが示唆された。
著者
横谷 謙次 高橋 英之 高村 真広 山本 哲也 阿部 修士
出版者
徳島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2022-04-01

行動嗜癖(過度な賭博行動やインターネットゲーム使用)は日本でも人口の約9%が経験しており、適切な治療が求められている。本研究の目的は1.ユーザーの嗜癖行動からの離脱と連動するキャラクター(以下、アバター)とその離脱を賞賛するキャラクター(以下、自律エージェント)によって行動嗜癖を治療し、2.その神経基盤を解明することである。1.の目的を達成するためにロボットとスマートフォンアプリでアバターと自律エージェントを作成し、ギャンブル障害者及びインターネットゲーム障害者に対する治療効果を検証する。また、2の目的を達成するために、fMRIを用いて、1.の治療効果に関与する神経回路を特定する。
著者
井邑 智哉 岡崎 善弘 高村 真広 徳永 智子
出版者
日本時間学会
雑誌
時間学研究 (ISSN:18820093)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.53-60, 2021 (Released:2022-07-01)

本研究の目的は,児童の時間管理が長期休暇中の学習時間や長期休暇後の学習意欲に影響を及ぼすのかを検討することであった。長期休暇前に児童の時間管理(生活リズムの確立,目標設定・優先順位)と学習計画,長期休暇中には毎日の学習時間,そして長期休暇後には自己効力感と学習意欲を測定した。分析の結果,生活リズムの確立得点の高い児童ほど,宿題の予定と実際の取り組みが一致しており,学習時間も長いことが明らかとなった。また生活リズムの確立は,学習意欲,自己効力感に対して正の影響を及ぼし,目標設定・優先順位は自己効力感に対して正の影響を及ぼしていた。
著者
井邑 智哉 岡崎 善弘 高村 真広 徳永 智子
出版者
日本時間学会
雑誌
時間学研究 (ISSN:18820093)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.57-64, 2020 (Released:2021-06-14)

本研究の目的は,児童用時間管理尺度を作成し,尺度の信頼性と妥当性を検討することであった。児童285名に対して調査を行い,尺度の内的整合性と基準関連妥当性を検討した。因子分析の結果,児童の時間管理は,「生活リズムの確立」と「目標設定・優先順位」という2種類から構成されることが明らかとなった。そして,時間管理に関する2種類の下位尺度は根気強さと正の関連を示し,無気力,不機嫌・怒りと負の関連を示していた。これらの結果から,児童用時間管理尺度は一定の信頼性と妥当性を有していることが示された。今後は今回作成した児童用時間管理尺度を用いて,児童の時間管理が学校生活など様々な場面でどのような影響を及ぼすかを検討することが可能となった。
著者
酒井 翠 中野 高志 丸野 由希 岡田 剛 高村 真広 岡本 泰昌 山脇 成人 吉本 潤一郎
雑誌
2018年度 情報処理学会関西支部 支部大会 講演論文集 (ISSN:1884197X)
巻号頁・発行日
vol.2018, 2018-09-21

うつ病に関連する脳の構造的異常についてこれまで様々な報告がなされてきたが、治療効果や環境的要因の影響も大きく、バイオマーカになり得るだけの決定的な結論には未だ至っていない。本研究では、治療効果の影響が少ないと考えられる抑うつエピソード発症早期のうつ病患者群と健常対照群の脳の構造的な差異についてvoxel-based morphometry (VBM)法を用いて解析し、先行研究の再現性を検証した。
著者
岡田 剛 高村 真広 市川 奈穂 増田 慶一 柴崎 千代 吉野 敦雄 撰 尚之 町野 彰彦
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.181-184, 2017 (Released:2019-07-30)
参考文献数
20

機能的磁気共鳴画像法(functional magnetic resonance imaging:fMRI)は,比較的高い空間分解能と時間分解能で非侵襲的に脳機能を評価できる手法として,精神疾患の脳メカニズム研究にも応用され多くの研究成果が報告されている。うつ病研究においては,背外側前頭前野を含む中央実行ネットワークおよびデフォルトモードネットワークの異常が比較的一貫性のある結果として得られているが,現段階は診断や治療反応性予測に利用可能なfMRIバイオマーカーは確立していない。本稿では,うつ病のfMRI研究に関する主な知見を概説するとともに,機械学習の手法を用いたうつ病のfMRIバイオマーカー開発の現状について紹介し,今後の臨床応用への課題と展望について考察する。
著者
吉田光佑 清水優 吉本潤一郎 土岐茂 高村真広 岡本泰昌 山脇成人 銅谷賢治
雑誌
研究報告バイオ情報学(BIO)
巻号頁・発行日
vol.2013-BIO-34, no.4, pp.1-2, 2013-06-20

うつ病の診断及び治療等において従来の経験に頼った手法ではなく、機能的核磁気共鳴 (fMRI) 技術を用いる研究が盛んに行われている。本研究では、言語流暢性課題におけるうつ病患者の fMRI データを対象に、L1 正則化付きロジスティック回帰を用いることで、より精度の高い客観的診断および関わりのある脳領域の特定を行った。
著者
井邑 智哉 岡崎 善弘 徳永 智子 高村 真広
出版者
広島大学大学院教育学研究科心理学講座
雑誌
広島大学心理学研究 (ISSN:13471619)
巻号頁・発行日
no.12, pp.263-267, 2012

長期休暇中に様々な宿題を行わなければならない児童は,計画を立てた上で宿題をしているのだろうか。本研究では,計画を立てた小学生と立てなかった小学生それぞれの宿題の取り組み方について調査した。小学生の宿題の取り組み方は4 タイプに分類された:(a)ほぼ毎日していた"安定型",(b)冬休みの前半で集中的に宿題をするが,後半からペースが落ちる"前半集中型",(c)冬休みの前半では宿題をあまりしないが,後半からペースを上げる"後半集中型",(d)ほとんど宿題をしなかった"逃避型"。計画作成の有無でそれぞれのタイプを分類した結果,計画を立てていなかった小学生には逃避型が多く,計画を立てた小学生には安定型,前半集中型,後半集中型が多いことが示された。