著者
柴田 浩平 前田 豊樹 三森 功士
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

大腸癌における発癌または癌進展における新規non-coding RNAが注目されてきた。われわれは大腸発癌および癌進展において重要な役割を担う因子について解析を行った既存のデータベース(aCGH, Gene Expression, SNP アレイ)があり、これらをin silico に解析するなどしてlong nc RNAおよびmicroRNAについて解析を進めた。その結果、1)mTOR経路を標的とするmiR144が大腸癌の予後と関連すること。2) 大腸癌のゲノムクラスター上変異と発現変異とが相関する領域としてmiR17-92aが重要であることを改めて明らかにした。さらに3)大腸発癌関連遺伝子多型として8q24 (rs6983267)が知られるが、同多型直上において存在するlincRNA を同定し、同ncRNAの発現がMYCを介した大腸癌進展に寄与することを明らかにした。本助成により、臨床的に有用なマーカー候補であるnon coding RMAを同定し、また基礎的にも新たな発癌機構を明らかにしえた。