著者
福嶋 裕造 井藤 久雄 田頭 秀悟 栁原 茂人 中村 陽祐 藤田 良介 山下 和彦
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.35-41, 2018 (Released:2018-07-04)
参考文献数
15
被引用文献数
1

急性腰痛症に対して非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs, non-steroidal anti-inflammatory drugs)を用いたが効果が得られないため,大黄牡丹皮湯と四物湯を併用して用いて効果が得られた3症例を経験したので報告する。 症例1は86歳の男性で,症例2は56歳女性でありいずれも急性腰痛症と診断した。症例3は69歳男性で急性腰痛症,軽度の左根性坐骨神経痛と診断して治療した。全症例とも1から2週間の投薬で腰痛等の症状が軽快した。『万病回春』の調栄活絡湯の方意に準じて,大黄牡丹皮湯と四物湯を併用した。急性腰痛症に対する漢方治療において大黄牡丹皮湯と四物湯の併用による治療は有用であると考えられる。