著者
栗原 信征
出版者
上武大学
雑誌
上武大学経営情報学部紀要 (ISSN:09155929)
巻号頁・発行日
vol.31, pp.61-71, 2008-03

日本の新聞広告費は1990年のバブル崩壊後、低落を続けている。この背景には、新聞が特に若者に読まれなくなってきていること、他メディアの台頭もあって、新聞のジャーナリズム機能が落ちてきていることなどがあり、これが新聞広告の低迷に反映されているのではないか。メディアの中で若者にとって新聞がどのような役割を果たしているのか、またどの程度読んでいるのかについて、上武大学の学生を対象にメディア接触状況を調査した。結果をみると、若者が新聞を読んでいる比率は決して高くはない。しかし、新聞に対するイメージは新聞を読んでいなくてもまだ、教養に役立つなど好意的なものが多かった。こうしたイメージが残っている間に新聞社は若者に対して、新聞に接触する手法を考えるべきだろう。一方、いろいろなイメージの中で新聞を「楽しいメディア」とみる回答が極めて低い。普段読んでいない学生にはまったくない。新聞を読むことによる楽しさを最初に訴える必要がある。新聞に対する興味を高めることが、新聞広告費の維持・回復につながる。