著者
栗原 宏季 稲森 真美子 眞田 幸俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.452, pp.135-140, 2012-02-29

本報告ではブロック符号化した信号を空間的多重したMIMOシステムにおいて軟判定復号時の尤度計算の際に信号分離を行う方式を提案する.従来のMIMOシステムにおいての信号分離は複数の受信アンテナで受信した信号に対して行われた.したがって通信路行列をフルランクにし信号を分離するためには,複数のアンテナ素子が受信側で必要であった.本報告では最尤復号の尤度計算時に信号分離処理する方式を検討する.提案方式は符号語と同等のサイズの通信路行列を復号候補として構成することができる.提案方式の例として,RayleighフェージングチャネルにおいてHamming符号化したシンボルの尤度計算による信号分離および最尤復号特性を検討した.そして誤り率特性の理論計算とシミュレーションより信号分離及び復号できることを示す.