著者
眞田 幸俊
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review (ISSN:18820875)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.20-27, 2011-07-01 (Released:2011-07-01)
参考文献数
28

周波数選択性フェージングは移動通信システムの特性を劣化する.この対策として1950 年代からRAKE 受信方式の研究が行われ,実用化されてきた.RAKE 受信方式は広帯域信号を用いることによってマルチパスを分解し,パスダイバーシチにより特性を改善する.RAKE 受信方式はFSK,スペクトル拡散通信などのシステムへの適用が検討され,IEEE802.11 やIMT-2000 などのシステムにおいて実用化されてきた.また最近では,Ultra Wideband システムやマルチキャリヤ変調との組合せも検討されている.本稿ではRAKE 受信方式の原理及びその発展に関して概観する.
著者
栗原 宏季 稲森 真美子 眞田 幸俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.452, pp.135-140, 2012-02-29

本報告ではブロック符号化した信号を空間的多重したMIMOシステムにおいて軟判定復号時の尤度計算の際に信号分離を行う方式を提案する.従来のMIMOシステムにおいての信号分離は複数の受信アンテナで受信した信号に対して行われた.したがって通信路行列をフルランクにし信号を分離するためには,複数のアンテナ素子が受信側で必要であった.本報告では最尤復号の尤度計算時に信号分離処理する方式を検討する.提案方式は符号語と同等のサイズの通信路行列を復号候補として構成することができる.提案方式の例として,RayleighフェージングチャネルにおいてHamming符号化したシンボルの尤度計算による信号分離および最尤復号特性を検討した.そして誤り率特性の理論計算とシミュレーションより信号分離及び復号できることを示す.
著者
稲森 真美子 ボスタマン アナス ムハマド 眞田 幸俊 南 英城
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.452, pp.73-79, 2008-01-17
参考文献数
17
被引用文献数
1

ダイレクトコンバージョン型OFDM受信機は端末の柔軟性や廉価性の面で優れているが,DCオフセット,周波数オフセット及びIQインバランスの影響を受ける.以前の報告で著者らは静的DCオフセットおよび周波数オフセット環境下でのIQインバランス推定法を提案している.そこで本稿では,時間変動DCオフセット環境下において提案手法を評価する.提案法はプリアンブル信号を利用し,IQインバランスを簡易な演算によって推定する.本研究では,提案法を無線LAN規格IEEE802.11a/gで規格化されているパケット構成に従いシミュレーションにより評価している.ミュレーション結果から,本研究で提案するIQインバランス推定法はDCオフセット及び周波数オフセット存在下でもIQインバランスを推定および補正できることを示した.
著者
稲森 真美子 ボスタマン アナス ムハマド 眞田 幸俊 南 英城
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SR, ソフトウェア無線 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.395, pp.59-65, 2006-11-22
参考文献数
18

本研究は,時間変動DCオフセット環境下における周波数オフセット推定法を提案している.OFDM型ダイレクトコンバージョン受信機はその構成により,周波数オフセットに加えて自己ミキシングによるDCオフセットが受信信号を歪ませる.また,受信機では,AGC(Automatic Gain Control)による受信信号レベルの制御が必要である.この制御によりDCオフセットのレベルは変動する.時間変動DCオフセットの対策として,本研究ではHPF(High Pass Filter)の出力に微分フィルタを使用する方式を提案した.提案方法は,DCオフセットに対してHPFのみを使用する既存方法に比べ,優れた特性を得た.
著者
斎藤 雄介 眞田 幸俊
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WBS, ワイドバンドシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.396, pp.1-6, 2007-12-12

IR-UWBを用いた測距システムでは,パルス幅1[ns]程度の信号を使うことで高い距離分解能を持った測距システムが実現可能となる.UWB測距システムにおいては,低コスト化,低電力化を目指し様々な提案がなされており,その中のひとつに高速コンパレータを用いた測距システムがある.このコンパレータを用いた測距においては,信号の平均化によりパルスを取り出す作業が必要であるが,平均化に対するクロックずれの影響は考慮されてこなかった.そのため本報告では,クロックのずれがシステムに与える影響をシミュレーションによって評価した.またクロックずれの影響を緩和する二段階平均化法を提案する.