著者
韮沢 悟 栗原 良枝
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子 (ISSN:04541138)
巻号頁・発行日
vol.45, no.6, pp.380-384, 1996-06-01 (Released:2011-10-14)
参考文献数
19

一般に高分子物質は味を示さないが.例外として甘味受容体を刺激する6種のタンパク質が知られている. このうち. モネリン. ソーマチン. マビンリン. ブラゼインは. それ自身強い甘味を呈する甘味タンパク質(ペプチドを含む)であり. クルクリンおよびミラクリンはすっぱいものや水を甘くする作用を有する甘味誘導タンパク質である. ここでは.これらのタンパク質の構造と作用機構を解説するとともに. 遺伝子工学的手法により得られた最近の成果を紹介する.
著者
栗原 良枝
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.69-71, 1997-02-20 (Released:2017-07-11)
参考文献数
3

味覚は生活の中では, 食物のおいしさに関係する大切な感覚である。ここでは, 甘味を中心にして, 味覚を化学の目で眺めることにする。甘味に関しては, 昔から数多くの研究がなされてきたが, 甘味のメカニズムは甘味受容体の実体を含めて依然として不明な点が多い。ここで紹介するミラクリンやクルクリンは味を変えるという特異な作用をもっているタンパク質である。これらの物質は新しい甘味物質として期待されるばかりでなく, その活性部位が解明できれば, 新しい甘味剤をデザインすることも可能になるかもしれない。