著者
髙橋 真 岩本 浩二 水上 昌文 井波 博 桑水流 学 宮田 賢児 山口 勝也 嶽本 伸敏 井河 武 宮内 幸男
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.33, no.1, pp.155-158, 2018 (Released:2018-03-01)
参考文献数
11

〔目的〕本研究の目的は足関節捻挫(捻挫)における外果骨損傷の有病率と治癒過程を明らかにすること.〔対象と方法〕対象は2015年1月から2017年1月に受診した捻挫患者の37例とし,骨損傷(14例)と靭帯損傷(23例)に分類した.〔結果〕骨損傷の有病率は38%,年齢は47.4歳,安静期間は49.1日,完治期間は102.7日,スポーツ受傷は14例中3例であった.年齢は骨損傷が靭帯損傷と比較して高値を示した.骨損傷はスポーツ動作での受傷が少なかった.〔結語〕骨損傷は捻挫の約4割に認め,年齢が高く,スポーツ動作での受傷が少なかったため,日常生活動作へのアプローチが必要と示唆された.骨損傷は完治期間が約3ヵ月であり,靭帯損傷との有意差がなかったことから,約7週の安静期間は損傷部位の治癒に重要と考察された.
著者
髙橋 真 桑水流 学 岩本 浩二 宮内 幸男
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.35, no.5, pp.741-749, 2020 (Released:2020-10-20)
参考文献数
24

〔目的〕インターナルインピンジメント症状を呈した高校野球選手に対し全身的介入による改善効果を検討した.〔対象と方法〕症例は後方関節唇損傷,上腕骨大結節背側損傷を呈した高校野球選手であった.理学療法は投球強度を調整し,肩関節の炎症鎮静をはかった.また,肩甲上腕関節,肩甲帯,投球の運動連鎖を考慮に入れた体幹・下肢筋群の機能的アプローチを40分,週1回,10ヵ月行った.〔結果〕肩関節の炎症所見は消失し,肩関節後面筋群の柔軟性,腱板筋群と僧帽筋の筋力,片脚立位姿勢は改善した.理学療法介入から7ヵ月後で投球痛は消失し,9割の投球が可能となり,投手として競技に復帰した.〔結語〕肩関節,投球早期に着目した体幹・下肢筋群の機能的アプローチはインターナルインピンジメント症状の再発,予防に効果を示した.