著者
桜井 映子 朝倉 富美子 伊東 清枝
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.36, no.9, pp.689-695, 1985-09-20 (Released:2010-03-10)
参考文献数
18

淡雪かんの調製方法として, 卵白に90℃の寒天・ショ糖液を混合する場合の卵白タンパク質の熱変性の状態について, 電気泳動法を用いて検討した.あわせて, 卵白泡の性状および淡雪かんの安定性についても調べた.1) ショ糖無添加の寒天液を卵白泡に混合した場合には, 混合開始温度が70~90℃では, オボアルブミン, オボムコイド, グロブジン, コンアルブミン, リゾチームの各タンパク質に, 熱変性が認められた.2) ショ糖添加の場合には, ショ糖が20%以上含まれると, 90℃で混合を開始しても, 上記5種類のタンパク質には, 熱変性は認められなかった.3) 混合開始温度が90℃で, ショ糖濃度が高い場合には, 比重が小さく舌ざわりが軽く, また離漿率が少ない安定性の高い淡雪かんができるごとがわかった.