著者
小曳 昇 齊藤 茂 青山 剛史 梁 忠模 赤坂 剛史 田辺 安忠
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-23, 2008-02

JAXA と川田工業株式会社が、独自のヘリコプタ騒音低減技術開発のため2002 年より実験・解析の両面から共同研究で実施しているアクティブ・タブについての研究結果について報告する。実験結果より、アクティブ・タブが約3dBの騒音制御能力を有しており、ヘリコプタ騒音低減技術として有望であることを実証した。同時に、ホバ及び前進飛行条件におけるアクティブ・タブのブレード揚力、翼端渦、騒音に対する効果を数値解析により評価した。数値解析には3 次元非定常オイラーCFD コード及びFW-H 式のformulation1 に基づく音響解析コードを用いた。アクティブ・タブの動きに対応するため、CFD 計算の各時間ステップで計算格子を時々刻々切り直している。解析結果から、下反角を付したアクティブ・タブがBVI (Blade/Vortex Interaction) 発生時にブレード揚力を変化させることによるブレード/ 渦間距離の増大を可能とし、BVI 騒音低減に十分な効果のあることが明確に示された。
著者
梁 忠模 青山 剛史
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.1-24, 2008-02

ロータの回転や6自由度の機体運動等の複雑な動きのため、メイン/テールロータ及び胴体からなるヘリコプタの数値シミュレーションにおいて、正確で速い補間アルゴリズムの重要性が高まってきている。本報告では、直交格子と曲線格子で構成される移動重合格子を利用したCFD コードに対して、より正確で早い補間法を提案した。新しい補間法では、(1)直交格子の特性、(2)ヘリコプタ・ブレードの特殊な幾何学的配置、及び(3)並列計算時の計算負荷バランスなどを十分有効に利用できるアルゴリズムが考案されている。第一章では、Alternating Index Searching (AIS) アルゴリズムを提案し、従来のLinear Searching アルゴリズムに対し、2 次元の簡単なケースと実際のヘリコプタを模擬した3 次元計算のケースで補間計算の速度を比べた。第二章では、並列計算における各計算ノードの負荷バランスを考慮したReverse Index Searching (RIS) アルゴリズムを提案した。この補間法を利用することによって、ヘリコプタのより効果的な大型計算を実現することができた。