- 著者
-
梅原 宏司
- 出版者
- Japan Association for Cultural Economics
- 雑誌
- 文化経済学 (ISSN:13441442)
- 巻号頁・発行日
- vol.5, no.3, pp.31-45, 2007-03-31 (Released:2009-12-08)
- 参考文献数
- 111
1960年代から70年代にかけ、国家レベルの保守政治に対して革新自治体が行なった政策は、「自治」「市民」という言葉の問い直しに基づくものであった。それは「市民」を政治的に活動する存在として考え、「自治」を市民の参加としてとらえるものであった。これをリードしたのが、政治学者の松下圭一であり、彼はその一環として「文化行政」を構想した。本稿は、松下の考えを検証し、「革新」という考えが「文化」に与えた影響を考察する。