著者
山下 弘巳 森 浩亮 桑原 泰隆 亀川 孝
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2014-05-30

ゼオライトやメソポーラスシリカなどのナノ多孔材料を利用して、細孔空間や骨格内に調製したシングルサイト光触媒(孤立四配位酸化物種、光機能性金属錯体)の機能・特性の評価、ナノ多孔材料の構造・形態制御、表面修飾や他の機能性材料との複合化を通して、シングルサイト光触媒を利用する環境調和型機能材料の開発と応用を試みた。平成29年度では、以下の研究を実施した。1)シングルサイト光触媒の特異反応性の評価と可視光応答性の付与: 複数金属元素からなる多核錯体を前駆体とする可視光応答型光触媒の調製を試みた。 2)シングルサイト光触媒を組込んだ三次元ナノ細孔構造とコア・シェル構造の設計: ヨーク・シェル構造の設計に特化し、サイズ制御した細孔をシェル構造に組み込むことを目指した。 3)疎水性多孔体の創製による光触媒の高効率化: ナノ細孔内表面を機能性炭素や酸・塩基官能基で修飾することで、細孔内の疎水性や酸塩基性を制御し、反応基質の吸着濃縮を進め触媒反応の高効率化を目指した。 4)シングルサイト光触媒を利用する金属ナノ触媒・プラズモニック触媒の調製: 貴金属の使用低減を目指した汎用元素を利用するプラズモニック触媒の開発、幅広い波長域の光を効率利用する光触媒系の開発を目指した。 5)コア・シェル構造触媒設計による高効率ワンポット触媒反応系の設計: ヨーク・シェル構造の設計においてシェル内部空間の反応場環境を制御することで、ワンポット触媒反応の高効率化を目指した。 6)ナノ細孔空間で機能する金属錯体シングルサイト光触媒の設計: 励起電子の移動性が高い高表面積多孔性カーボンやC3N4を利用し、多孔担体表面の化学特性が金属錯体に与える影響を検討した。