著者
有山 愛 森 由佳 稲野 美穂 灘本 知憲
出版者
日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.628-638, 2009-12-15
参考文献数
30
被引用文献数
2

ココア摂取がヒト体表温を上昇させる影響を検討した.被験者は健康な女子学生(18-24歳)とし,体表温と抹消部の血流量を測定指標とした.測定は22℃&plusmn;0.5℃,湿度50%&plusmn;5%の恒温恒湿環境下,4通りの異なった条件で行った.結果は次の通りである.<BR>(1) 実験1では,60℃に加温されたピュアココア飲料による影響を,栄養組成を揃えた飲料,水と比較した.ピュアココアは手首,足首,足指先に,体表温上昇傾向を示した.<BR>(2) 実験2では,37℃に維持したピュアココア飲料と栄養組成を揃えた飲料を比較した.その結果,ピュアココアは手首に体表温維持傾向を示した.<BR>(3) 実験3では,60℃脱脂ココア飲料と栄養組成を揃えた飲料を比較した.脱脂ココアは額における体表温上昇作用(<I>p</I><0.05)と手指における体表温維持作用(<I>p</I><0.05)を示した.また,同様の傾向は,腹と腰にも示された.<BR>(4) 実験4では,実験3と同じ飲料を用いて就寝前状況を想定した実験を行った.脱脂ココアは栄養組成を揃えた飲料と比較し,腰・足首・足指先で体表温上昇作用(<I>p</I><0.05)を示した.<BR>以上の結果より,ココア摂取はヒト体表温上昇作用または維持作用があることが示された.また,その効果は脱脂ココアで特に顕著に観察された.
著者
有山 愛 森 由佳 稲野 美穂 灘本 知憲
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.56, no.12, pp.628-638, 2009-12-15 (Released:2010-01-31)
参考文献数
30
被引用文献数
2

ココア摂取がヒト体表温を上昇させる影響を検討した.被験者は健康な女子学生(18-24歳)とし,体表温と抹消部の血流量を測定指標とした.測定は22℃±0.5℃,湿度50%±5%の恒温恒湿環境下,4通りの異なった条件で行った.結果は次の通りである.(1) 実験1では,60℃に加温されたピュアココア飲料による影響を,栄養組成を揃えた飲料,水と比較した.ピュアココアは手首,足首,足指先に,体表温上昇傾向を示した.(2) 実験2では,37℃に維持したピュアココア飲料と栄養組成を揃えた飲料を比較した.その結果,ピュアココアは手首に体表温維持傾向を示した.(3) 実験3では,60℃脱脂ココア飲料と栄養組成を揃えた飲料を比較した.脱脂ココアは額における体表温上昇作用(p<0.05)と手指における体表温維持作用(p<0.05)を示した.また,同様の傾向は,腹と腰にも示された.(4) 実験4では,実験3と同じ飲料を用いて就寝前状況を想定した実験を行った.脱脂ココアは栄養組成を揃えた飲料と比較し,腰・足首・足指先で体表温上昇作用(p<0.05)を示した.以上の結果より,ココア摂取はヒト体表温上昇作用または維持作用があることが示された.また,その効果は脱脂ココアで特に顕著に観察された.
著者
米森 由佳 倉本 宣
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.527-530, 2000-03-30
被引用文献数
7 7

多摩川中流域の河川改修後の低水路護岸3箇所において,1998年8月の増水によって堆積した土砂と植物遺体に含まれる種子を実生発生法により同定したところ,61種の実生が確認され,そのうち28種46%は帰化植物であった。 1999年5月と8月に行った群落調査においても出現種の多くが帰化植物であった。河川改修時の低水路護岸の緑化は,人工的に植栽をしなくても増水時の種子供給により可能であるが,帰化植物の扱いについての十分な検討が必要であることが示唆された。