- 著者
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森 義忠
- 出版者
- The Phytopathological Society of Japan
- 雑誌
- 日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
- 巻号頁・発行日
- vol.34, no.2, pp.92-97, 1968 (Released:2010-03-08)
- 参考文献数
- 9
前報(1962, 1966, 1967)で筆者はホッブべと病の一次発生源として根株中の越年菌糸の重要性と,このような潜在菌糸の主原因は秋感染によつておこることを強調した。もし,秋感染が潜在菌糸の主な根源,つまり春発生するふしづまり芽条の主因であるとすれば,秋の殺菌剤散布はふしづまり芽条発生を防ぐことになる。このことは古里ホップ試験場での諸実験の結果からある程度確認されている。本試験はこの結果にもとついて,大面積にわたる圃場試験として計画され,ふしづまり芽条防除のため殺菌剤の秋散布の効果試験がA, BとCの3地区で行なわれた.Aは長野県の平坦部,一方BとCは山間部が選定された。圃場試験でも当場の実験と同じ結果が再現され,球果収穫後の殺菌剤の秋散布が一次感染の除去に重要であることを示唆し,それがまた一次の“ふしづまり”芽条の減少に効果的であることを示した。