著者
森 豪大 籔谷 祐介 春木 孝之
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.640-647, 2023-10-25 (Released:2023-10-25)
参考文献数
27

シビックプライドとは、都市に対する市民の誇り定義され、地域を良くしようという当事者意識に基づくものである。人口減少が進む日本では、Uターン人口増加の手がかりとしてシビックプライドが注目されている。そこで、地元に対するシビックプライドと、環境要因に対する意識が、Uターン意向の形成にどのような影響を与えるかを調査した。ランダムフォレストの結果、大学生のUターン意向形成には、第1に地元に希望する仕事があること、第2に地元に住み続けたいという意識、第3に地元にいる家族や友人の存在が影響を与えることがわかった。
著者
森 豪大 籔谷 祐介 宋 俊煥
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.933-940, 2022-10-25 (Released:2022-10-25)
参考文献数
24
被引用文献数
1

本研究では、高岡市に居住する高校生を対象にアンケート調査を実施し、どのような源泉がシビックプライドを醸成し、将来の定住意識を高めるかという一連の流れを明らかにした。源泉は「地域環境」、「文化・産業」、「食・自然」、「歴史」の4つの因子で構成され、シビックプライドの構成要素は「参画」、「アイデンティティ」、「愛着」、「持続願望」の4つであることを提示した。また、共分散構造分析の結果、高校生における将来の定住意識は、シビックプライドの構成要素の一つである「愛着」によって形成され、その「愛着」は「地域環境」と「文化・歴史」の源泉によって醸成されることが明らかになった。高校生にとっては、身近に利用できる公園・緑地環境や、祭でのコミュニケーション、小中学校において伝統文化や産業に触れる地域教育が将来の定住意識に寄与することを推察した。