著者
森下 昌紀
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.40-63, 2006-01-26 (Released:2008-12-25)
参考文献数
85
著者
森下 昌紀 早川 貴之 菅野 孝史 山岸 正和 岩瀬 順一 川越 謙一
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

素数と結び目の類似性に基づき,数論と3次元トポロジーの関連について,研究し,学術論文5篇,論説2篇を著した。具体的な研究成果の概要は以下に述べる通りである。1)絡み目群と分岐条件付き,Galois群の類似に基づき,結び目と素数の類似性を論じた。特に,Alexander加群とMilnor不変量の数論的類似物を求めた。2)絡み目の巡回分岐被覆について,数体の種の理論の類似を求めた。3)3次元多様体の被覆について,数体の単項化定理の類似を求めた。4)素数たちに対するMilnor不変量の類似物のGaloisコホモロジーのMassey積による解釈を与えた。またMilnor不変量の巡回不変性らの性質を示した。5)岩澤主予想と、Alexander多項式の力学系のゼータ関数による解釈の類似性,Langlcends対応と場の量子論の類似について考察した。上記の研究に関して、次の国際,シンポジウム,学会で研究発表を行った。・数論の国際シンポジウム(2001年,9月,都立大),・代数学シンポジウム(2002年,8月,室蘭工大),・米国数学会年会(2003年1月,ボルチモア),・日韓結び目理論シンポジウム(2003年2月東大),・日米数学研究所コンファレンス(2003年3月,ジョンズホプキンス大,ボルチモア),日米数学研究所のコンファレンスでは,組織委員も務めた。
著者
早川 貴之 菅野 孝史 森下 昌紀 岩瀬 順一
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

3次元端末特異点の特異点除去および因子収縮に関して以下に述べる研究を行った.(1)指数mが2以上の3次元端末特異点につぶれる既約例外因子の食い違い係数が1/mの因子収縮を繰り返すことにより,指数が1の端末特異点しか持たない代数多様体からの双有理射を具体的に構成した,その結果として指数が2以上の3次元端末特異点の上空にある食い違い係数が1以下の既約因子をすべて決定した.(2)3次元端末特異点について,食い違い係数が1未満(または以下)となるような因子だけすべてを例外因子としてもつような部分的特異点除去が存在するかというM.Reidの問題(経済的特異点解消の存在)に対して,元々の問題にある形では経済的特異点解消は一般には存在しないことを示した.さらに経済的特異点解消が存在するためにどのような特異点を許せばよいのかについて考察し,必要な修正の後に経済的特異点解消が存在することを示した.(3)既約因子を指数2以上の3次元端末特異点につぶす因子収縮のうち,その既約因子の食い違い係数が1となるものについて,4次元または5次元の巡回商特異点の中への埋め込まれ方および因子収縮を得るための重み付きブローアップの重みを具体的に定めることにより,すべて決定した.(4)指数が1の3次元端末特異点につぶれるものについて,とくにcD型およびcE型の端末特異点につぶれるような因子収縮のうち,食い違い係数が1であるようなものに明示的な記述を与えた.