- 著者
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古山 準一
高木 秀雄
森園 竜太郎
水尾 仁志
岡本 宏明
- 出版者
- 一般社団法人 日本肝臓学会
- 雑誌
- 肝臓 (ISSN:04514203)
- 巻号頁・発行日
- vol.64, no.9, pp.430-436, 2023-09-01 (Released:2023-09-11)
- 参考文献数
- 23
60歳台,男性.X-12日から全身掻痒感を自覚.X-10日 某皮膚科受診しエピナスチン塩酸塩,ジフルコルトロン吉草酸クリームを処方された.X-8日 前医内科受診しAST 217 U/L,ALT 400 U/Lと肝機能異常を認め,IgA-HEV抗体(-)だった.X-1日 同院再診し肝障害の増悪を認め,X日 当科入院.IgA-HEV抗体は入院時未施行でX+7日に施行したIgA-HEV抗体が(+)と判明した.保存血清による精査の結果,IgG,IgM,IgA-HEV抗体およびHEV-RNAは,各々,X-8日(-),(-),(-),(+:subgenotype 4c)であり,X+2日(+),(+),(+),(+)であった.発症早期ではIgA-HEV抗体が陰性となることが稀にあり他の原因が否定的で肉などの喫食状況によってはIgA-HEV抗体の再検,HEV-RNAの検査を施行すべきであると考えられた.