著者
田原 英一 新谷 卓弘 森山 健三 中尾 紀久世 久保 道徳 斉藤 大直 荒川 龍夫 寺澤 捷年
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.957-961, 2003-09-20 (Released:2010-03-12)
参考文献数
8

療養型病床群における高齢者の性的逸脱行動に桂枝加竜骨牡蛎湯が有効であった2例を報告する。症例1は71歳男性で, 前立腺肥大症の術後リハビリテーション目的で入院となった。入院後まもなくから自慰行動が出現し, 他の女性入院患者や介護職員が不快感を訴えるようになった。桂枝加竜骨牡蛎湯を投与したところ自慰行動は消失した。症例2は90歳男性で, 脳梗塞のリハビリテーションのために入院となった。入院後半年ほどして卑猥な言葉を言ったり, 他の女性患者の体を触るようになった。桂枝加竜骨牡蛎湯を投与したところ, 性的逸脱行動は軽減した。桂枝加竜骨牡蛎湯は痴呆による高齢者の性的逸脱行動に有効な治療法となると示唆される。
著者
谷川 久彦 遠田 裕政 岡本 洋明 森山 健三
出版者
The Japan Society for Oriental Medicine
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.91-94, 1986
被引用文献数
3 1

酸棗仁湯が嗜眠傾向に対して有効であった1症例につき報告した。患者は52歳の主婦で体格は小さく痩せており, いつも身体が疲れていて, 夜は十分眠れるのに昼間もなお眠く感じ, ともすれば横になり眠ってしまうような嗜眠傾向の状態であった。腹力はやや軟で臍上に動悸と臍傍に圧痛点を認めた。<br>初め, 当帰芍薬散料加附子と酸棗仁湯を交互に服用させたが, 後には, 酸棗仁湯を主として, 当帰芍薬散を兼用とした。約2ヵ月余で, 嗜眠傾向は全く改善された。<br>すでに報告した酸棗仁湯で有効な不眠症の2症例をも考慮してみると, 酸棗仁湯は不眠にも嗜眠にも有効であることが確かめられた。また, 不眠や嗜眠に対して, 酸棗仁を妙る妙らないは必ずしも関係なく, むしろその成分が煎液によく出ることが必要なのではないかと思われる。