著者
高原 章 内田 裕久 今田 智之 堂本 英樹 吉元 良太 小森 美幸 森岡 朋子 小野 一郎 高田 芳伸 加藤 仁
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.106, no.4, pp.279-287, 1995-10-01
参考文献数
19
被引用文献数
1 4

新規カルシウム拮抗薬(シルニジピン)を2KlC型腎性高血圧犬に連続経ロ投与し,その抗高血圧作用を二力ルジピンのそれと比較検討した.投与初日,シルニジピン(3mg/kg)および二力ルジピン(3mg/kg)の経ロ投与は投与後1時間目に収縮期および拡張期血圧を著明に低下させた.このシルニジピンの降圧作用は二力ルジピンより持続的であった.両薬剤とも心拍数と血漿レニン活性の上昇を引き起こした.投与開始8日目および15日目もシルニジピンとニカルジピンは投与初日とほぼ同程度の血圧低下作用を引き起こした.投薬中止48および72時間後に血圧のリバウンド現象は認められなかった.血圧測定時間毎に採血して血漿中薬物濃度を測定したところ,シルニジピンおよび二力ルジピンの血圧低下作用はそれぞれの時点での血漿中薬物濃度と有意に相関した(シルニジピン;r=-0.598,ニカルジピン;r=-0.594).以上の結果より,シルニジピンは二力ルジピンに比較してより持続的な抗高血圧作用を示し,連続経ロ投与による再現性のある抗高血圧作用は血漿中薬物濃度に相関して認められた.
著者
田村 善蔵 森岡 朋子 前田 昌子 辻 章夫
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.339-346, 1994-04-05
被引用文献数
5 24

フルオレセイン(F)とスルホンフルオレセイン(SF)のpH0からpH10までの5×10^<-6>M水溶液の吸収スペクトルを解析した.SFはH_2SF, HSF^-及びSF^<2->からなり, 酸HAの解離定数をK_a=α_<H+>[A^-]/[HA]とするとき等吸収点の波長における吸光度からpK_<a1>=3.10,pK_<a2>=6.25であることが分かり, さらにHSF^-のスペクトルが求められ, 三つの分子種がすべてキノノイド構造をもつと推定された.FはH_3F^+, H_2F, HF^-及びF^<2->からなり, 二つの等吸収点に共通な波長における吸光度からpK_<a2>=4.20であることがわかり, さらに試行錯誤によってHF^-とH_2FのスペクトルならびにpK_<a3>=6.39とpK_<a1>=2.24が求められた.またH_2Fが一つのラクトノイド分子種と二つのキノノイド分子種の10 : 3 : 2の混合物であると推定された.