著者
山下 利春 黄倉 真恵 菊地 梨沙 佐藤 牧人 高田 知明 小野 一郎 神保 孝一
出版者
日本皮膚科学会西部支部
雑誌
西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.408-413, 2007

Polymerase chain reaction(PCR)を用いると帯状疱疹患者の末梢血リンパ球からも水痘帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus: VZV)核酸が検出される。本研究では,札幌医大附属病院皮膚科に入院しビダラビン(アラセナ<SUP>&reg;</SUP>A)600mg/日を5日間投与された帯状疱疹患者10例よりリンパ球を調製し,PCRによって末梢血リンパ球のVZV gene 29およびgene 62のDNAおよびRNAの検出を行った。検討した10例のうち基礎疾患のある重症帯状疱疹の3例と中等症の1例は補体結合反応値が128倍と高値を示し,さらにPCRによりVZV DNAおよびRNAが検出された。しかし,これら4症例とも入院7~10日後(第14病日)には末梢血リンパ球からウイルス核酸は検出されなかった。他の中等症の1例と軽症5例の末梢血リンパ球からはVZV gene 29あるいは62のDNAとRNAは検出されなかった。患部皮疹が潰瘍化した重症の1例を除き,いずれの症例も3週間以内に上皮化し2~4週間後の帯状疱疹関連神経痛はVASスコアで0/5あるいは1/5まで低下した。これらの結果より,重症例ではウイルス抗体価が上昇し末梢血リンパ球にVZV遺伝子が検出され少なくとも一部のウイルス遺伝子が発現しているが,ビダラビン600mg/日,5日間の投与によって発症2週間後には末梢血よりウイルスが駆逐されると考えられた。
著者
小野 一郎
出版者
大分県立芸術文化短期大学
雑誌
大分県立芸術短期大学研究紀要
巻号頁・発行日
vol.2, pp.79-89, 1963-10-05

哥麿筆・版画「婦人泊り客之図」3枚続きの浮世絵のうち、中央の図の女性坐像と、それと似たposeをしている「髪結い」との腰部に着目、2人のformeが重なつている場合の後部(女性)のdeformationについて研究したものである。そして本themaの場合は後部女性の腰部が前部女性によつてcutきれたために、普通の場合よりも延びて表現きれている点について考察を行つたものである。
著者
高原 章 内田 裕久 今田 智之 堂本 英樹 吉元 良太 小森 美幸 森岡 朋子 小野 一郎 高田 芳伸 加藤 仁
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.106, no.4, pp.279-287, 1995-10-01
参考文献数
19
被引用文献数
1 4

新規カルシウム拮抗薬(シルニジピン)を2KlC型腎性高血圧犬に連続経ロ投与し,その抗高血圧作用を二力ルジピンのそれと比較検討した.投与初日,シルニジピン(3mg/kg)および二力ルジピン(3mg/kg)の経ロ投与は投与後1時間目に収縮期および拡張期血圧を著明に低下させた.このシルニジピンの降圧作用は二力ルジピンより持続的であった.両薬剤とも心拍数と血漿レニン活性の上昇を引き起こした.投与開始8日目および15日目もシルニジピンとニカルジピンは投与初日とほぼ同程度の血圧低下作用を引き起こした.投薬中止48および72時間後に血圧のリバウンド現象は認められなかった.血圧測定時間毎に採血して血漿中薬物濃度を測定したところ,シルニジピンおよび二力ルジピンの血圧低下作用はそれぞれの時点での血漿中薬物濃度と有意に相関した(シルニジピン;r=-0.598,ニカルジピン;r=-0.594).以上の結果より,シルニジピンは二力ルジピンに比較してより持続的な抗高血圧作用を示し,連続経ロ投与による再現性のある抗高血圧作用は血漿中薬物濃度に相関して認められた.
著者
小野 一郎
出版者
大分県立芸術文化短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:02869756)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.17-24, 1980-03-31

本抄録は雪舟筆「慧可断臂図」について,特に画面上部の岩壁に描かれた2箇の岩穴が,画面における重要なpointを成していると考え,人体美学的な研究態度で考察を行ったものである。