著者
藤田 英二 末次 真啓 森崎 由理江
出版者
一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
雑誌
日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.45-52, 2017-12-15 (Released:2019-01-31)
参考文献数
25
被引用文献数
2

本研究は,サッカー競技現場でのアイスバスによる運動間アイシングの導入を想定し,運動間に行うアイスバスによるアイシングが,後半の運動能力に及ぼす効果について検証を行った.大学サッカー部に所属する男子選手13名を対象とし,実際の試合における前半と後半を想定したYo-Yo Intermittent Recoveryテスト(YYIRテスト)を行わせた.運動間に下肢をアイスバスにてアイシングする条件と,座位にて安静させる条件の2条件で,YYIRテストの走行距離,大腿の皮膚温,膝伸展筋力,垂直跳び跳躍高,ならびに30m走タイムを測定して比較した.主な結果として,アイスバス条件では後半のYYIRテストの走行距離低下を抑制し,間欠的高強度運動能力への効果が認められた.しかし,垂直跳び跳躍高ならびに30m走タイムが低下し,瞬発的な運動能力への負の影響がみられ,実際の競技での応用にはre-warm upの必要性を強く示唆するものであった.