- 著者
-
村田 祐樹
大見 卓司
倉持 梨恵子
- 出版者
- 一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会
- 雑誌
- 日本アスレティックトレーニング学会誌 (ISSN:24326623)
- 巻号頁・発行日
- vol.5, no.2, pp.115-121, 2020-04-30 (Released:2020-06-05)
- 参考文献数
- 5
青少年のスポーツにおいて,アスレティックトレーナー(AT)が関与することの重要性についての認識が高まっている.本邦でも一部の高校では,課外活動の質を向上させるために専任のATを雇用している.しかし,高校におけるATの業務内容とATが関与することの効果を示した報告はほとんどない.本研究の目的は,高校のATがスポーツ現場でどのような業務を行っているかをインタビューおよび自己開示によって明らかにすることであった.2名の私立学校に勤務するATが本研究に参加した.勤務形態は,1名が専任であり,もう1名が非常勤であった.対象者の主な業務は,スポーツ外傷・障害の評価,救急処置,リコンディショニング,スポーツ外傷・障害の予防であった.それらに加えて,スポーツ外傷・障害の予防と管理について,生徒,コーチ,教諭,養護教諭などに啓発することは,学校スポーツにおけるATの重要な役割であった.本研究は,学校現場でのATの介入事例を2例のみ示したものであり,高校の専任ATに関して更に多くの情報が必要である.したがって,高校においてATが関与する状況を明らかにするためには,体系的な調査を実施する必要があると考えられた.