著者
南高 純一 猪野 真弓 佐藤 邦雄 森川 重則
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.2242-2243, 1989-10-16
被引用文献数
1

我々は,音楽分野で一般的に使われている慨念をルールとして記述し,メロディーの特徴を分析したり,作曲する際に,それらの音楽知識や,分析結果を使用して,音楽性に富むメロディーが生成可能な自動作曲システム-MAGIC(Music system for ArranGement and Intelligent Composition)を作成している。すでに,リズム,和声,調性,構造,楽式を考慮した自動作曲システ〔1〕〔2〕を実現しているが,今回アヴェイラブルノートの考え方を導入し,和声の知識をより豊かにすることにより,ジャズ,ポップスなどの曲風(ジャンルの特徴を扱えるようにした。リズムについては,すでに曲風の特徴をある程度とらえられていた〔1〕ので,本報告では,和声処理を中心に報告する。
著者
南高 純一 猪野 真弓 佐藤 邦雄 森川 重則
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.1865-1866, 1989-03-15

よく経験するように、曲のなかには、(A)モチーフ(動機、2小節程度のメロディー)が、そのままあるいは非常によく似た形で何度も現れるものもあれば、(B)モチーフが変形され、展開され、成長、発展する曲もあれば、(C)あるモチーフは一時的にしか存在せず、別のモチーフが現れ、さらに別のモチーフに移っていくといった曲もある。最初に挙げたクラスに属する曲(A)は、「一貫性」の度合が高く、2番目に挙げたクラスに属する曲(B)は「一貫性」を残しながらも「多様性」にも富む。3番目に挙げたクラスに属する曲(C)は「一貫性」は希薄になっているがより「自由」な「多様性」をもっているといえよう。我々は現在、自動作曲システム-MAGIC(Music system for ArranGement and Intelligent Composition)を作成中である。生成されるメロディーは音楽性に富むようなシステムであること、使用者の参加意欲を高める能力があることを主たる目的とし、これまでに文献で主にリズム、和声、調性に関して自然なメロディーを生成するための方法について述べた。本研究では、さらに、曲の構造、楽式などを考慮してよくコントロールされたメロディーの流れをもつ曲を作曲可能な手段をシステムに組み込み、一応の成果を得たので報告する。