著者
佐藤 邦雄
出版者
The Kitakanto Medical Society
雑誌
北関東医学 (ISSN:00231908)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.123-131, 1993

本研究は, 慢性腎不全において透析により血漿エンドセリンが変化するか否か, また, これが血圧維持に関与しているか否かを検討したものである.週3回血液透析を受けている慢性腎不全例14例における血漿エンドセリンをラジオイムノアッセイ法により測定したところ, 透析開始時には34.6±4.4fmol/mlであり, これは健常者の10.8±0.9fmol/ml, 腎機能正常の高血圧例の12.9±4.4fmol/mlに比べて有意に高値であった.また, 高速液体クロマトグラフィーで分析すると, 透析例ではエンドセリン-1, ビッグエンドセリン-1以外に二つのピークが認められた.透析後, 血漿エンドセリン値は28.4±1.6fmol/mlと有意に低下した.エンドセリン-1とビッグエンドセリン-1とは透析によりともに有意に減少し, 両者の比は透析前後で変化しなかった.透析外液中にエンドセリン-1は検出されたが, ビッグエンドセリン-1は検出されず, 循環中にビッグエンドセリン-1からエンドセリン-1への変換が生じるものと推定した.<BR>なお, 腎不全例において, 血液透析による血圧変化と血漿エンドセリンおよびエンドセリン-1の変化との間には有意な関連は認められず, 血中エンドセリン-1が循環ホルモンとして透析中の血圧調節に直接関与していないと結論した.
著者
南高 純一 猪野 真弓 佐藤 邦雄 森川 重則
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.2242-2243, 1989-10-16
被引用文献数
1

我々は,音楽分野で一般的に使われている慨念をルールとして記述し,メロディーの特徴を分析したり,作曲する際に,それらの音楽知識や,分析結果を使用して,音楽性に富むメロディーが生成可能な自動作曲システム-MAGIC(Music system for ArranGement and Intelligent Composition)を作成している。すでに,リズム,和声,調性,構造,楽式を考慮した自動作曲システ〔1〕〔2〕を実現しているが,今回アヴェイラブルノートの考え方を導入し,和声の知識をより豊かにすることにより,ジャズ,ポップスなどの曲風(ジャンルの特徴を扱えるようにした。リズムについては,すでに曲風の特徴をある程度とらえられていた〔1〕ので,本報告では,和声処理を中心に報告する。
著者
南高 純一 猪野 真弓 佐藤 邦雄 森川 重則
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.1865-1866, 1989-03-15

よく経験するように、曲のなかには、(A)モチーフ(動機、2小節程度のメロディー)が、そのままあるいは非常によく似た形で何度も現れるものもあれば、(B)モチーフが変形され、展開され、成長、発展する曲もあれば、(C)あるモチーフは一時的にしか存在せず、別のモチーフが現れ、さらに別のモチーフに移っていくといった曲もある。最初に挙げたクラスに属する曲(A)は、「一貫性」の度合が高く、2番目に挙げたクラスに属する曲(B)は「一貫性」を残しながらも「多様性」にも富む。3番目に挙げたクラスに属する曲(C)は「一貫性」は希薄になっているがより「自由」な「多様性」をもっているといえよう。我々は現在、自動作曲システム-MAGIC(Music system for ArranGement and Intelligent Composition)を作成中である。生成されるメロディーは音楽性に富むようなシステムであること、使用者の参加意欲を高める能力があることを主たる目的とし、これまでに文献で主にリズム、和声、調性に関して自然なメロディーを生成するための方法について述べた。本研究では、さらに、曲の構造、楽式などを考慮してよくコントロールされたメロディーの流れをもつ曲を作曲可能な手段をシステムに組み込み、一応の成果を得たので報告する。