著者
南高 純一 猪野 真弓 佐藤 邦雄 森川 重則
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.39, pp.2242-2243, 1989-10-16
被引用文献数
1

我々は,音楽分野で一般的に使われている慨念をルールとして記述し,メロディーの特徴を分析したり,作曲する際に,それらの音楽知識や,分析結果を使用して,音楽性に富むメロディーが生成可能な自動作曲システム-MAGIC(Music system for ArranGement and Intelligent Composition)を作成している。すでに,リズム,和声,調性,構造,楽式を考慮した自動作曲システ〔1〕〔2〕を実現しているが,今回アヴェイラブルノートの考え方を導入し,和声の知識をより豊かにすることにより,ジャズ,ポップスなどの曲風(ジャンルの特徴を扱えるようにした。リズムについては,すでに曲風の特徴をある程度とらえられていた〔1〕ので,本報告では,和声処理を中心に報告する。
著者
南高純一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.90, pp.129-133, 2006-08-08

楽曲の演奏情報から楽譜化を行う手法確立のために,試作と検証をすすめている.演奏情報として,Midiファイルを利用する.Midiファイルは,ある発音に対して,ノート番号と発音時刻と消音時刻についての情報を持つイベントデータの並びである.一方楽譜は,ある発音に対して,音符として表されるが,通常の音符や連符,また装飾音など発音時刻の解釈が異なるルールをもつものが混在する.さらに楽譜には,複数の音の動きを表すための声部概念があるが,Midiファイルにはその声部情報はない.このような演奏情報と楽譜のルールの違いを考慮し,本件では,まず声部情報と,連符情報を抽出する手段について試した結果を報告する.We push forward development and inspection of prototype to establish technique of scoring from performance information of a song. We use MIDI file as musical performance. Midi file is the row of the event data which has the information about a note number, note on time, and note off. On the other hand, a score is expressed as a note to a certain pronunciation. In a score, a thing with the rule from which the interpretation about note on time, such as a note, a triplet mark, an ornament mark, etc., differs is intermingled. Furthermore, there is a thing called the voice part for expressing two or more melody in a score. There is no information equivalent to the voice part in Midi. In consideration of the difference in the rule of such a performance information and a score, we report the result that we tested about means to extract voice part information and triplet information.
著者
南高 純一 猪野 真弓 佐藤 邦雄 森川 重則
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.38, pp.1865-1866, 1989-03-15

よく経験するように、曲のなかには、(A)モチーフ(動機、2小節程度のメロディー)が、そのままあるいは非常によく似た形で何度も現れるものもあれば、(B)モチーフが変形され、展開され、成長、発展する曲もあれば、(C)あるモチーフは一時的にしか存在せず、別のモチーフが現れ、さらに別のモチーフに移っていくといった曲もある。最初に挙げたクラスに属する曲(A)は、「一貫性」の度合が高く、2番目に挙げたクラスに属する曲(B)は「一貫性」を残しながらも「多様性」にも富む。3番目に挙げたクラスに属する曲(C)は「一貫性」は希薄になっているがより「自由」な「多様性」をもっているといえよう。我々は現在、自動作曲システム-MAGIC(Music system for ArranGement and Intelligent Composition)を作成中である。生成されるメロディーは音楽性に富むようなシステムであること、使用者の参加意欲を高める能力があることを主たる目的とし、これまでに文献で主にリズム、和声、調性に関して自然なメロディーを生成するための方法について述べた。本研究では、さらに、曲の構造、楽式などを考慮してよくコントロールされたメロディーの流れをもつ曲を作曲可能な手段をシステムに組み込み、一応の成果を得たので報告する。