著者
中山 智晴 山﨑 裕司 森田 ゆかり 大﨑 康史 古谷 博和
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.9-13, 2022 (Released:2022-02-20)
参考文献数
9

〔目的〕パーキンソン病(PD)患者に対する段階的難易度設定による起居動作練習が,動作時間に及ぼす即時的効果について検討した.〔対象と方法〕PD患者13名を対象として,段階的難易度設定の技法を用いた起き上がり動作練習と寝返り動作練習を,計10~15分間実施した.〔結果〕介入前の起居動作時間の中央値は7.5秒,介入後の起居動作時間の中央値は4.4秒であり,動作時間は有意に短縮した.動作時間の改善度は,起居動作に時間を要していた重症度の高い症例ほど大きかった(rs:0.95).〔結語〕段階的難易度設定による起居動作練習は,PD患者の起居動作時間を短縮させる即時的効果を持つ,有効な動作練習と考えられた.