著者
伊澤 淳 新妻 知行 森田 園子 額賀 優江 小田原 雅人
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.54, no.11, pp.1285-1293, 2005-11-30 (Released:2017-02-10)

【背景・目的】ハムスター飼育に起因して生じるハムスターアレルギーの診断に用いられている現行CAP-RAST法ハムスター特異的IgE抗体は, ハムスター飼育が原因と考えられる喘息例での陽性率は約60%と低い.その原因がハムスターの種属による抗原性の差異に由来するか否かを検討した.【方法】ハムスター飼育喘息患者20例を対象として現行のヨーロピアン・ゴールデンハムスター混合特異的IgE抗体(以下, e84)にジャンガリアンハムスター上皮を加えた3種混合特異的IgE抗体を作製し, ジャンガリアンハムスター抗体に対するe84との相関を検索した.9例についてはイムノブロッティングにて抗原解析を行った.【結果】e84とジャンガリアンハムスター抗体の相関はみられず, 3種混合特異的IgE抗体とジャンガリアンハムスター抗体は正の相関がみられた.e84, ジャンガリアンハムスター抗体とも陽性例では67kDa蛋白に対する特異的な結合蛋白を認め, ジャンガリアンハムスター抗体のみ陽性例では20kDa蛋白に対する特異的な結合蛋白を認めた.【結語】ゴールデンハムスター, ヨーロピアンハムスターと小型のジャンガリアンハムスターでは主要な抗原性が異なることが判明した.
著者
森田 園子
出版者
大阪樟蔭女子大学
雑誌
大阪樟蔭女子大学研究紀要 (ISSN:21860459)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.195-204, 2015-01-31

日本の雇用において中小企業は重大な役割を果たしている。本稿は、その中小企業における女性役員・取締役のあり方が大企業と異なっているのか、異なっているとすればどのように異なっているのか、又その要因は何かを明らかにする前段階として、この課題を見るべき論点を明らかにするためのものである。そのため、ヒアリング調査は経営者であると同時に周辺企業を俯瞰する立場にあり、自らもまた働く女性として経験を積んで来た女性を対象とした。ヒアリングを通して得た知見により、今後検証を進めるにあたっての論点は以下のとおりとした。第1は、「役員・取締役に至る経緯」、第2は「システム整備」である。第1点は、女性管理職・役員にまで至った要因は何であったのかである。第2点は具体的な就業環境のシステム整備に力点をおくものである。そこには、育児休業などの制度整備が重要であることは言うまでもないが、ここではそのような制度を補完するものとして、もっとも具体的な人事管理システムとしての「業務の配分」や「働き方」のシステム整備を取り上げることとした。