著者
室井 みや 笠井 清登 植月 美希 管 心
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.65-73, 2007-03-31 (Released:2010-10-13)
参考文献数
31
被引用文献数
1

ストループ課題および情動ストループ課題を用いて,統合失調症における情動的情報,非情動的情報に関する選択的注意機能について検討を行った.その結果,ストループ課題において,統合失調症者では不一致条件と中性条件の反応時間の違いは有意ではなかったが,統制群に比べて,不一致条件と中性条件の誤答率の違いは大きかったことから,無関連情報の処理を抑制する機能が低下していること,課題要求の保持が難しいことが示された.また,情動ストループ課題では,単語の種類による反応時間の違い,誤答率の違いは全体として有意ではなかったことから,情動的情報の認知機能障害は,情動的情報への注意バイアスによるものではなく,情動的情報に関する処理機能自体が低下しているためである可能性が示された.