著者
北神 慎司 山縣 宏美 室井 みや
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
巻号頁・発行日
vol.27, pp.37-40, 2004-03-05
参考文献数
7
被引用文献数
1

本研究では,視覚シンボル検出課題を用いて,北神ほか(2002)で示されたシンボルの認識容易性に対する白抜きシンボルの優位性を,背景の色を変更して再検討した.また,意味内容の事前学習,および,シンボル自体の意味の明瞭さの影響も併せて検討した.その結果,認識の速さという点において,白抜きシンボルの優位性はみられず,白抜きシンボルの優位性は,シンボルが配置される背景の色と,シンボルの地の色との関係によって変動する状況依存的なものである可能性が示唆された.また,先行研究と同様,事前に学習を行う方が,あるいは,もともと意味がわかりやすいシンボルの方が,認識が容易であることも示された.
著者
室井 みや 笠井 清登 植月 美希 管 心
出版者
日本認知心理学会
雑誌
認知心理学研究 (ISSN:13487264)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.65-73, 2007-03-31 (Released:2010-10-13)
参考文献数
31
被引用文献数
1

ストループ課題および情動ストループ課題を用いて,統合失調症における情動的情報,非情動的情報に関する選択的注意機能について検討を行った.その結果,ストループ課題において,統合失調症者では不一致条件と中性条件の反応時間の違いは有意ではなかったが,統制群に比べて,不一致条件と中性条件の誤答率の違いは大きかったことから,無関連情報の処理を抑制する機能が低下していること,課題要求の保持が難しいことが示された.また,情動ストループ課題では,単語の種類による反応時間の違い,誤答率の違いは全体として有意ではなかったことから,情動的情報の認知機能障害は,情動的情報への注意バイアスによるものではなく,情動的情報に関する処理機能自体が低下しているためである可能性が示された.
著者
室井 みや 石井 恒生
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.213-216, 2006

コンピュータおよびインターネット技術が発展する中で,大学生が日常的にインターネット,図書館,新聞,テレビなどをどのように活用し,情報収集を行うのか,その傾向について質問紙を用いて調査を行い,検討した.その結果,社会の出来事や,授業の課題および趣味に関して,テレビ,インターネットが主要な情報源となっているが,新聞,雑誌,図書館なども状況に応じて利用されていることが示された.このように,大学生は必要に応じ,インターネットなどの新技術を活用できているが,さらに新聞,雑誌,図書館などの従来から活用されてきた方法についても十分に活用できるように工夫する必要があることが示された.