著者
山川 肇 植田 和広
出版者
Japan Society of Material Cycles and Waste Management
雑誌
廃棄物学会誌 (ISSN:09170855)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.245-258, 2001-07-31
被引用文献数
6 3

本稿では, ごみ有料化に関する論点を整理し, 各論点についての議論の進展と到達点, および, 今後の課題について述べた。まず家庭系ごみ有料化によるごみ流れの変化として, ごみ減量とその持続性について評価し, 減量の内容について紹介するとともに, ごみ減量の影響要因に関する研究を整理した。さらに不法投棄と自家焼却に関する調査結果を紹介した。次にごみ処理の費用負担に関連して, ごみ処理サービスの特性と費用負担の公平性の議論を整理するとともに, 提案されている費用負担のあり方について紹介した。さらに逆進性, 税の二重取りに関する議論を整理した。その後, 財政への影響として手数料収入と処理経費に関する研究を紹介し, 住民意識と住民合意についても, 合意の条件等について整理した。最後に, 粗大ごみ有料化, および, 事業系ごみの全面有料化と料金適正化について若干の研究, 報告の紹介を行った。