著者
髙橋 勇太 植竹 香織 津田 広和 大山 紘平 佐々木 周作
出版者
行動経済学会
雑誌
行動経済学 (ISSN:21853568)
巻号頁・発行日
vol.12, no.Special_issue, pp.S9-S13, 2019 (Released:2020-03-17)
参考文献数
7

本稿では,日本の地方自治体へのナッジの実装を推進する横浜市行動デザインチーム(YBiT)について,体制構築及び普及戦略の観点から分析することで,地方自治体におけるナッジの展開方法への示唆を得る.まず,体制構築については,先行研究をベースに海外諸都市のナッジ・ユニットとの比較を行った上で,専門性や行政・政治からのサポートなどの必要要素について整理した.地方自治体では,専門的な人材全てを内製化することが困難であるため,外部の専門家との連携が必須であると考えられる.次に,普及戦略については,地方自治体内にナッジを普及させる上での課題とそれへの対策について,独自に検討した普及プロセスモデルに基づき整理した.今後はこれらの実践モデルが理論化され,国内地方自治体でのナッジの実装や,国内のエビデンスが蓄積され,政策効果及び効率が向上されることが期待される.