著者
楊 琬璐 宮谷 真人
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第13回大会
巻号頁・発行日
pp.155, 2015 (Released:2015-10-21)

音楽と色彩の構成要素を系統的に変化させ,それぞれ単独,あるいはその組み合わせが気分や印象に及ぼす影響や,組み合わせの相応しさを決定する要因について調べた。その結果,長調でテンポの速い曲とvivid toneは覚醒度を上げ,長調でテンポの遅い曲とdull toneは眠気を生じさせた。また,長調でテンポの遅い曲とvivid toneの暖色系,pale toneの全色はポジティブな心理的効果を促進させ,短調でテンポの遅い曲とdull tone全色はネガティブな気分を喚起した。音楽のみ条件と音楽に相応しい色の組み合わせに比べ,音楽に相応しくないと感じられる色を同時に呈示すると,ネガティブな気分が増強された。各音楽に相応しい色彩の組み合わせの結果から,音楽と色彩の組み合わせの相応しさを決める要因として,各音楽や色彩に対する好み,喚起される感情の共通性,および印象評価の共通性の3つが挙げられる。